2018 Fiscal Year Research-status Report
High-intensity swim ergometer training for competitive swimmers
Project/Area Number |
18K10905
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
下山 好充 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (20375364)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 水泳 / スイムエルゴメータ / 高強度トレーニング / ストローク動作 / 筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
水泳競技は下肢に比べ上肢から発揮されるパワーが推進力に大きく影響を及ぼすため,上肢筋群の高強度トレーニングが不可欠である.しかし,水泳は水中という特殊な環境で行われるため,水泳中の上肢筋群の大きなパワー出力が泳効率の低下をまねく可能性もある.本研究では,そのような弊害を最小限に抑えるために,水泳選手が実際に高強度トレーニングの一環として行なっている陸上でのスイムエルゴメータを用いたトレーニングに着目し,そのトレーニング負荷について検討することで,水泳選手の高強度トレーニングのガイドラインを作成することを目的とした. そのために,2018年度では,スイムエルゴメータや水泳中の筋電図測定に関する先行研究を収集し,情報収集を行なった.また,陸上でのスイムエルゴメータによる高強度トレーニング中の筋電図,および,水泳中の筋電図を測定した.さらに,陸上および水中におけるぞれぞれのストローク動作を分析するため,防水の自発光マーカーを用いて動作解析を行なった.そして,陸上でのスイムエルゴメータによる高強度トレーニング中における筋活動量や筋活動の順序性の側面から動作特性について検討した. 全国大会出場レベルの大学男子競泳選手を対象に,ストローク頻度をコントロールした上で,10ストロークの全力運動を実施し,陸上でのスイムエルゴメータと水泳中の筋活動を精査した. その結果,陸上でのスイムエルゴメータによる高強度トレーニングは立位で実施するため,水泳中と比較して,上肢を挙上することにより僧帽筋の筋活動が優位になることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的を達成するために,水泳中の筋電図測定に関して,電極を装着した状態で全力泳を実施することに対する被験者の慣れや,電極を取り付ける際の防水加工技術を験者が習得する必要があった.また,筋電図測定と同時に,ストローク動作の測定も試みたが,水泡の影響で画像解析をすることが困難であった.以上のことから,予備実験を積み重ねることによって,試行錯誤しながら,防水テープの貼り方を工夫し,水中用の自発光マーカーを用いることでこれらの問題を解決することができた. 以上のような状況から予定よりも遅れを生じているため,「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に実施した陸上でのスイムエルゴメータによる高強度トレーニングは立位式のものであったが,立位姿勢でストローク動作を実施すると上肢を挙上するため水泳中に比べて僧帽筋の筋活動が優位になることが示された.そこで,陸上においてベンチ上に伏臥位姿勢をとるタイプのスイムエルゴメータを用いて高強度トレーニングで実施することで,立位式のものと同様に筋活動量や筋活動の順序性の側面から動作特性について検討し,それぞれのトレーニングに対するメリットやデメリットを調査する. さらに,陸上でのスイムエルゴメータによる高強度トレーニングの介入実験を行うことで,そのトレーニング効果を明らかにする予定である.
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Causes of Carryover |
実験の遅れにより,予定していた学会発表および研究打ち合わせができずに,次年度使用額が生じた.
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