2021 Fiscal Year Annual Research Report
The effects and mechanisms of exercise on prevention and remission of food allergy
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18K10913
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
椎葉 大輔 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 准教授 (20515233)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動 / 抗体産生 / 食物アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
患者数が未だ増加傾向にある食物アレルギー疾患の発症を予防・寛解する方法は十分に確立されていない。近年,運動による免疫寛容誘導の可能性を示唆する報告がなされているが,食物アレルギーへの影響は明らかではない。そこで本研究では,運動がアレルゲン経皮曝露に対する免疫応答に及ぼす影響について,オボアルブミン(OVA)経皮感作モデルマウスに自発運動を実施させることにより検討した。実験ではBALB/cマウスを安静群及び運動群に振り分け,運動群には飼育ケージ内にランニングホイールを設置し自発運動を実施させた。OVA経皮曝露はラウリル硫酸ナトリウム(SDS)による皮膚障害部位にOVAを塗布することにより行なった。経皮曝露後にマウスより血清を採取し血清中のOVA特異的IgEおよびIgG1を測定した。その際,一部のマウスでは経皮感作部位皮膚組織を採取し,遺伝子発現を評価した。また,経皮曝露を行ったマウスにOVAを腹腔内投与し,全身性アレルギー誘導を行なった。結果について,血中OVA特異的抗体濃度は,IgEおよびIgG1とも安静群に比べて有意な高値を示した。皮膚組織においては,安静群に比べ運動群においてTh2サイトカインの遺伝子発現が亢進する傾向が観察された。一方,全身性アレルギー症状では両群に有意な差は観察されなかった。以上の結果は,自発運動が皮膚組織などにおいてTh2応答を亢進させルコとでOVA経皮曝露による特異的抗体産生応答を亢進させる可能性を示唆するものであった。今後は,今回観察されなかった運動によるアレルギー症状への影響について,さらに詳細に検討する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)