2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10917
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
林 恵嗣 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (00431677)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 冷却効果 / 冷却効率 / 快適感覚 / 温熱感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、低濃度炭酸泉(500 ppm)の冷却効率を検討するため、体温を上昇させたのち、低濃度炭酸泉に浸漬する条件と水道水に浸漬する条件とで体温低下速度を比較した。低濃度炭酸泉を用いた理由は、高濃度の炭酸泉を製造するためには時間を要することと、湯量が多い場合には濃度を高くすることが難しくなるため、低濃度(500 ppm)であっても冷却効果が見込めるかを明らかにするためである。 被験者は健康な男性9名であった。被験者は、40℃の湯に15分間入浴して体温を上昇させた後、30℃の低濃度炭酸泉もしくは水道水に浸漬した。低濃度炭酸泉および水道水への浸漬時間は、体温が入浴前のレベルにまで戻るか、5分以上体温変動がみられないか、被験者が測定中止を求めるまでとした。入浴および炭酸泉、水道水への浸漬は腋窩の高さまでとした。炭酸泉と水道水への浸漬の順番はランダムにして行った。測定項目は、外耳道温、皮膚温、心拍数、快適感覚、温熱感覚であった。 40℃の湯への入浴により、外耳道温は0.6~0.7℃上昇した。低濃度炭酸泉に浸漬していた時間は11±6分で、水道水に浸漬していた時間は14±6分であり、条件間で差は見られなかった。冷却速度は、低濃度炭酸泉条件で-0.08±0.04℃/分、水道水条件で-0.08±0.06℃/分であり、こちらも条件間で差は見られなかった。皮膚温や心拍数にも条件間で差がみられなかった。また、快適感覚および温熱感覚においても条件間で差は見られなかった。 以上のように、炭酸泉の濃度が低くなると、高濃度(1,000 ppm)の場合と異なり、炭酸泉による冷却効果や不快感軽減効果は見られなくなることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通り、2つ目の実験がほぼ終わりつつあるため、おおむね順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
低濃度炭酸泉の影響については、数名程度データを増やす予定である。また、3つ目の実験として、当初の計画から変更して、より低温の炭酸泉の冷却効果を検討する予定である(学内研究倫理審査申請中)。今回の変更は、当初計画よりも現場での応用を想定した研究とするためである。しかし、ヒトを対象とする研究であるため、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大状況次第である。現報告書作成時点においては、研究推進の目途は立てられない状況である。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りの使用であったと考えている。年度内にもう1名のデータを測定することができず謝礼品の支払いがなかったことから、当該助成金が生じた。翌年度に追加で測定する被験者への謝礼品の支払いとして使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Book] 運動生理学2019
Author(s)
麻見 直美、川中 健太郎
Total Pages
200
Publisher
羊土社
ISBN
9784758113564