2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K10919
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
中村 真理子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (30343677)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 身体冷却 / 女性アスリート / 女性ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
暑熱環境下での持久性運動においては、過度な深部体温の上昇が制限因子となり持久性パフォーマンスが低下することが示唆されている。過度な深部体温上昇を抑制するためには、あらかじめ深部体温を下げておくプレクーリングといった身体冷却の実施が重要となる。先行研究において、正常月経周期を有する女性が暑熱環境下で運動した際、卵胞期に比べ黄体期において疲労困憊までの運動時間が短縮されたほか、自覚的運動強度等も高くなることが報告されている。これは黄体期における安静時の深部体温が卵胞期より高いことや、月経周期によって温度感受性が変化することがその要因として挙げられている。したがって、女性アスリートが暑熱環境下において効果的に持久性パフォーマンスを発揮するには、月経周期の時期に応じた身体冷却の実施が必要であると考えられる。 本研究では、正常月経周期を有するアスリートを対象に、暑熱環境下における持久性運動前のプレクーリングが生理学的指標や運動パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにし、月経周期の時期を考慮した効果的な身体冷却法について検証することを目的とした。 対象は正常月経周期を有する10名とし、環境温30 °C、相対湿度70 %の条件において最大酸素摂取量の70%で疲労困憊まで自転車運動を行うTime to Exhaustion(TTE)テストを行う。運動前にアイススラリー(-1℃; 体重あたり×7.5g)とコントロール水(20℃; 体重あたり×7.5g)を摂取し、その後の運動に伴う深部体温、皮膚温の上昇度合や循環指標(心拍数,血圧,血管抵抗など)の応答の差について検証を行う。測定時期は、卵胞期および黄体期とする。 現在7名の対象者の最大酸素摂取量測定まで終了しており、周期ごとの測定がCOVID-19の影響により中断している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2月末までに正常月経周期の把握を行って最大酸素摂取量を測定し、3月-4月に周期ごとの実験の開始を予定していたが、COVID-19の影響により弊センターの研究実施に制限がかかり、4月に入って緊急事態宣言を受け弊センターが閉館したため、実験実施ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
緊急事態宣言解除後、弊センターの活動再開ガイドラインに則り予定していた実験を再開し、身体冷却の実施とそれに伴う循環動態について月経周期の違いがあるか否かについて検証する。
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Causes of Carryover |
3月-4月に周期ごとの実験を予定していたが、COVID-19の影響により弊センターの研究実施に制限がかかり、実験が実施できていないため、被験者への交通費及び謝金の執行ができなかったため差額が生じている。緊急事態宣言解除後、弊センターの活動再開ガイドラインに則り、予定していた実験を再開するため、来年度執行する予定である。
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