2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K10919
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
中村 真理子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (30343677)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 女性アスリート / 暑熱 / 身体冷却 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度に引き続きプレクーリングが暑熱環境下における持久性運動時の深部体温や運動継続時間に及ぼす効果を明らかにすることを目的とした実験を実施した。室温30℃、相対湿度70%の環境条件下で、卵胞期と黄体期においてプレクーリングあり、なしの計4条件において、それぞれ65% VO2maxの自転車運動で深部体温が38.5℃上昇するまで実施することとした。10名の被験者から実験への参加協力を得て、基礎体温の記録を開始し、順次メディカルチェックおよび最大酸素摂取量の測定、本実験等を行った。 感染症対策として、人工気象室内に入室できるのは験者2名、被験者1名までとし、験者はマスク、フェイスシールド、手袋、ガウンを着用し手指消毒などを徹底した。運動中の飛沫感染を予防するため、被験者は呼気を排出するためのマスクを着用し、呼気を室外につないだ蛇管を通して行うことなどの変更を加えた。また、被験者はマスクを着用することにより、運動中の飲水がしづらいなど問題が発生したため、飲水しやすいよう改善を行った。 しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大やオリンピック開催期間(夏季・冬季)に伴う施設利用の制限などの理由から、実験施設が使用できず測定の延期を余儀なくされ、対象者の辞退が相次いだ。2月以降は、HPSCルールとして、験者、被験者ともに測定72時間前のPCR検査を行い、陰性を確認したのち、実験を実施することが必須条件となった。2名の被験者は月経周期把握のため、基礎体温の記録を継続しており、2条件の測定が終了した。 暑熱対策に関連する論文1件(in press)、身体冷却に関する学会発表(シンポジウム)・講演5件、ホルモン療法が運動パフォーマンスに及ぼす影響について記事1件を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に引き続き「暑熱環境下における効果的なプレクーリング方法の検証」に関する実験について準備を進めてきたが、感染症対策のため実施計画に変更を加える必要が生じ、被験者の辞退も相次いだ。また、新型コロナウイルスの感染拡大によるPCR検査の必須など、測定が制限される状況が続いている。本研究は、女性被験者の月経周期を確認しながら進める必要があるため、全条件の実施までに数カ月を要するが、現在、被験者を再度募集しながら、現在進行中の数名の対象者の測定を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者を再度募集し、すみやかに実験に取り掛かる。PCR検査実施、感染症対策の徹底など施設使用のための条件に則り、可能な範囲で推進する。
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Causes of Carryover |
7.現在までの進捗状況に記した理由により研究計画が遅れているため、使用予定の予算が全て執行されなかった。それに伴い次年度使用額の変更が生じたが、使用目的に大きな変更はなく、現在中断中の課題1,2の実験にかかる被験者謝金に使用する。
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