2020 Fiscal Year Research-status Report
精神保健と学校適応の向上を目指す大学生向け精神保健教育プログラムの開発
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18K10921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 紀人 東京大学, 相談支援研究開発センター, 講師 (70401106)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康教育 / 精神保健 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、作成した大学生対象の精神保健教育プログラムの実践と評価を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症流行のため、一部その実施が困難であった。一方で、感染症流行に伴い、新たにプログラムに盛り込むべき内容を検討し、プログラムへの追加を図ったほか、可能な範囲でプログラムをオンラインで実施できるよう改良を行った。 【大学生の精神保健学習状況とその効果の検証】収集したアンケート結果をまとめて、大学生の保健学習の実態と課題について論文化を行った(印刷中)。得られた成果をもとに作成された健康教育プログラムは、少人数の参加型ゼミ形式を想定しており、今年度は感染予防の観点から実施、普及することが困難であった。ゼミのオンライン化は引き続き課題となっている。 【精神不調、学校不適応に関連する要因の分析】 ①新型コロナウイルス感染症流行下で大学生に必要なメンタルヘルス教育の検討を行うため、実態調査を行った。2020年度と感染症流行前とを比較し、感染症流行下で大学入学後に不安・抑うつが悪化している一方で、睡眠時間の平日-休日差は小さくなっていることが示された。感染症流行下で不安・抑うつの悪化傾向が示される一方、精神科受診を希望する割合は流行前から増加しておらず、感染症流行下で大学生のメンタルヘルス悪化に留意するだけでなく、メンタル不調時の受診・相談などhelp seekingについても指導する必要性が示唆された。 ②作成した講義形式の健康教育プログラムについて、オンライン講義に対応するよう修正を行った。特にオンライン講義のシステム機能を活用し、参加型の仕組み(講義内でのオンラインアンケートなど)を工夫した。 ③入学後の修学と関係する要因(入学前の受診歴・学校適応、入学時の精神状態、性格傾向ほか)に関する解析結果を学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に従いおおむね予定通り研究を進めることができた。 研究成果の論文化、得られた研究成果を反映した大学生対象の精神保健教育プログラムの改良などは前年度に引き続き実施することができた。 一方で、本研究の柱の一つである、作成した精神保健教育プログラムの実践については、各大学で対面での授業が全面的に中止となったため、予定通りの実施が不可能であった。このため、一部をオンライン講義に対応できるよう修正を進めたが、参加型のゼミ形式で行うプログラムについては、そのオンライン化は課題となっている。 また、新型コロナウイルス感染症流行により、メンタルヘルスへの影響が急遽注目され、大学生においても感染症流行を考慮した精神保健教育が重要と考えられたため、その視点からもデータ解析を行った。この結果を新たに精神保健教育プログラムに反映させ、プログラムの改良を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症流行により、一部の研究が予定通り実施できなかった。 以下の対策を講じたうえで研究期間を延長して実施する。 ①大学生向け精神保健教育プログラムの改良:大学における講義の状況(対面/オンライン)に応じて実施方法を工夫する。教育プログラムをオンラインでも実施できるように改良を加える。 ②教育プログラムの効果測定:①実施にあわせて参加者によるプログラムの質的な評価を得る。 ③研究成果の発表:2020年度は成果発表を予定していた学会が中止となったため、改めて成果発表を予定する。 ④大規模講義形式の精神保健教育プログラムの改良:R2年度完成を目標に大規模講義形式の教育プログラムを作成してきたが、新型コロナウイルス感染症流行下でのメンタルヘルスは、今後欠かせないプログラム内容となったため、研究期間延長中に可能な範囲でプログラムに盛り込むよう改良する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行により、予定通り実施できなかった研究計画(大学生対象の対面での講義)があり、加えてデータが収集できず、論文執筆が行えなかった。また、感染症流行のため、成果発表予定の学会が中止となった。 研究期間を延長し、感染症流行下でも実施可能な研究方法(オンラインでの講義の実施など)に改めて実施する。そのうえで、研究成果の発表を行う予定である。
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