2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Mental Health Education Program for University Students Intended to Improve Mental Health and School Adaptation
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18K10921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 紀人 東京大学, 相談支援研究開発センター, 講師 (70401106)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康教育 / 精神保健 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、感染症流行のためオンラインで実施できるよう改良した教育プログラムを実施した。講義後アンケートで学びを尋ねたところ、精神疾患の基礎知識の獲得だけでなく、精神疾患に対するスティグマなどの学びも示され、プログラムが大学生のメンタルヘルスリテラシー向上に資することが示された。このほか、プログラム実施手法の検討のため、大学生同士のピアエデュケーションの効果を検証した。研究期間中に得られた成果は学会発表するとともに、論文執筆・投稿した(印刷中)。 【研究期間を通じた成果と意義、重要性】 ①大学生のメンタルヘルスリテラシー向上は課題である:心身の健康は高校までの保健体育でも扱われるが、その学びは個人差、学習項目ごとの差が大きく、十分習得されていないことが大学生対象のアンケート調査で明らかになった。 ②大学生が学ぶべきメンタルヘルスの知識:従来より大学生のメンタルヘルス教育では精神疾患の基礎知識などが取り上げられていた。本研究では健康診断結果を解析し、大学生が学生生活の中で実際に困難を抱えるメンタルヘルスの要素を明らかにし教材化した。6時間未満の短時間睡眠や、大学入学前の精神的不調の経験は特に注意が必要であり、また入学時に健康であっても、入学後に精神的不調をきたす場合には修学の問題をきたすことが多いため、留意が必要であった。 ③大学生対象のメンタルヘルス教育プログラムの実践:上記②の内容を踏まえて健康教育プログラムを作成し、大学生を対象に実施した。COVID-19流行のため、オンライン講義に対応するよう改良を行い実践した。講義アンケートにより、受講者の精神疾患の基礎知識獲得にとどまらないメンタルヘルスリテラシー向上が確認できた。よりプログラムの効果を高める試みとして、大学生同士のピアエデュケーションの効果を検証した。本プログラムに適用していくことは今後の課題である。
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Research Products
(4 results)