2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of the Effective Program for Training Life Skills
Project/Area Number |
18K10924
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山田 浩平 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60439304)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | レクリエーション / アクティビティ / ライフスキル / STEAM教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、より楽しく効果的にライフスキル形成をするとともに、体力の維持を図るため、身体活動(アクティビティ)を伴うレクリエーションを取り入れたプログラムを開発することである。研究2年目にあたる2019年度は、研究2としてライフスキルの中でも学校現場教師から要請の高かった問題解決スキルなどを効果的に形成するための、レクリエーションを取り入れたプログラム案を作成することにあった。 プログラムを作成するにあたり、現在の学校で取り組まれている保健教育の目標は、健康状態の向上をとおして、最終的に生活の質の向上であるととらえられることを踏まえ、ライススキル教育の相対的重要性を確認するために、研究1で作成したライフスキル尺度と生活の質との関わりについて検討した。なお、生活の質を測定するための尺度としては、これまでの先行研究成果を踏まえて首尾一貫感覚(SOC : Sense of Coherence)を使用した。その成果は、「首尾一貫感覚を培うライフスキル教育プログラムの開発-小学生における首尾一貫感覚とライフスキルとの関連-」というタイトルで、第28回日本健康教育学会学術大会(東京大学)にて発表した。 これとは別に、レクリエーションを取り入れたプログラム案を作成するにあたっては、近年海外等で注目されているとともに、2018 年に文部科学省や経済産業省から提言されたSTEAM教育に着目し、陸上運動のアクティビティ教材をツールとするプログラム案を作成した。なお、その成果は「ライフスキル形成のためのSTEAM教育の導入の効果-陸上運動をツールとして-」というタイトルで、一般社団法人日本学校保健学会第66回学術大会(国立オリンピック記念青少年総合センター)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目にあたる2019年度は、研究2としてライフスキルの中でも学校現場教師から要請の高かった問題解決スキルなどを効果的に形成するための、レクリエーションを取り入れたプログラム案を作成することにあった。研究2については、本研究に賛同してくださる学校現場の教員が多くみられ、プログラム案の作成段階から積極的にディスカッションに加わっていただいた。そのため、より早くプログラム案が完成し介入研究を進められた。 その際、近年海外等で注目されているとともに、2018年に文部科学省や経済産業省から提言されたSTEAM教育の要素を取り入れることで、今後の学校現場で活用でき、社会に出ていくための基盤が培えると考えた。これらの検討結果を踏まえ、2019年12月に小学校4年~6年生の41人を対象に、1日間(5時間)のライフスキル教育とSTEAM教育を融合させた教育プログラムを実施した。プログラムはライフスキルの中核的スキルである問題解決のプロセスに沿って学習指導過程をたてて実施した。その結果、陸上運動のパフォーマンスが介入後で若干高まり、ライフスキル尺度の得点については、問題解決スキル、情報処理スキルの得点が有意に上昇した。陸上運動をツールとするSTEAM教育が本教育プログラムにおいて、ライフスキルの問題解決スキルと情報処理スキルの形成に効果的であることが示唆された。 今後は、陸上教材からレクリエーション教材などに変更し、他のライフスキルに与える効果を検証していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は 研究3として、小学校生を対象にして研究2で作成したプログラムを実施するとともに、 研究1で作成した評価票を使用してライフスキル形成のためのプログラムの効果を検証することにある。 このプログラム案の作成と実施については、研究2でいくつかの予備的な介入を行ってきた。研究3ではさらに数多くのレクリエーションとSTEAM教育とを融合させた教材を取り入れたライフスキル形成のためのプログラム案を作成し、作成したプログラムを実施してライフスキルの形成のプログラムの効果と体力の維持・向上を検証する。昨年度から研究協力者と数回の打ち合わせを行い、2019年度の成果を確認し、2020年度の研究の分担の確認と、プログラム案の開発を試みている。開発にあたっては、教材要素構成票を作成し、開発しようとしているプログラムが、5組10種類のライフスキルのどのスキルを高めるのかや、簡便性や遊戯性の程度などの教材の効果を評価するようにしている。 ライフスキル形成のためのプログラムは、2020年の10月を目処に実施予定である。プログラムの実施フィールドとしては、予定通りの本研究協力者の協力を得て、関東、東海、関西地方を中心に実施する予定である。なお、研究の成果は随時学会等で発表し、最終的には学会誌に投稿すべく研究を進める。
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Causes of Carryover |
2020年2,3月には研究協力者で集まり、2019年度の成果や2020年度の役割等について数回の打ち合わせをするとともに、STEAM教育をもとに、レクリエーション教材を取り入れたアクティビティ教材の作成を実施予定であった。また、2月下旬には、学校現場でのプログラム案の介入も実施予定であった。 しかし新型コロナウィルスの影響で、打ち合わせ会や介入が実施できなくなってしまった。打ち合わせ会はWeb会議にて多少は進められたが、教材の作成とプログラムの実施が2020年度に持ち越されることとなった。2020年度には早急に教材を作成し、新型コロナウィルスの状況を踏まえながらプログラムを実施予定である。
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