2020 Fiscal Year Research-status Report
運動が苦手な人をなくすための運動制御能力テストの開発と習得支援への展開
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18K10926
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
河辺 章子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (30153000)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 和至 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50236353)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 運動制御 / 運動スキル / 不得意 / 筋力発揮様式 / グレーディング / タイミング制御 / 静的立位姿勢 / 予測能力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，運動が苦手な人の動作を詳細に分析することによって，運動がうまくできない根本原因を探り，（1）運動の制御能力の基本的要素を明らかにする，（2）運動の制御能力を測る検査法を開発する，（3）運動の苦手な人の運動制御能力の習得を支援する方法を見出すことが本研究の目的である．
研究3年目の2020年度は，一昨年度に作成した運動が苦手な人を抽出するための質問紙の簡易版の精度が高く，十分に運動の不得意者を抽出できるものと考えられたので，昨年度に引き続き，この質問紙を用いて研究を進めていくこととした．2020年度は2018および2019年度の筋力発揮やタイミング制御に関する結果から，運動スキルに関連するprimitiveな観点から検討を加える必要があると考えられたため，静的立位姿勢保持に焦点をあて，運動の得意・不得意による違いや，視覚入力による影響をどの程度受けるのかについても検討加えることとした．
まずは，フォースプレート上で，5分間の静的立位姿勢保持を行い，その際のCOPの変動について検討を加えた．被験者は16名（運動得意群8名，不得意群8名）で，全員操作脚は右脚であった．また，視覚情報（奥行き知覚）による影響をみるために，奥行きを感じさせる図形4種を液晶プロジェクターを用いてスクリーンに投射し，静的立位姿勢保持時の足圧変化から視覚情報による影響を主にCOPから検討することとした．
しかし，新型コロナ感染症の感染拡大のために，学生の大学構内への立ち入りができなくなり，被験者を確保することすら困難な状況となったため，感染拡大状況をみながら，実験を断続的に進めた．測定したデータの詳細な分析等については2021年度に持ち越すこととした．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
運動の得手・不得手を判定するための質問紙作成について，その質問項目を慎重に検討を重ねてきたため，初年度の2018年度において予定よりも多少遅れが生じた．しかし，作成した簡易版の質問紙は，その精度のよさから2019・2020年度においても本格的に使用することができた．2018年度は筋力の発揮様式や筋力の再現性やグレイディングに焦点を当て，2019年度は運動スキルのうちの特に時間的要素を制御する，タイミング制御に焦点を当て，実験を実施した．2020年度は静的立位姿勢保持と立位姿勢への視覚入力情報による影響（主に奥行き知覚）について検討を加えた．
2018年度及び2019年度はほぼ予定通り，実験及び解析を行うことができた．2018年度の研究成果については，日本体育学会第70回大会（2019年9月）にてすでに発表済みであり， 2019年度の成果は日本体力医学会第75回大会（2020年9月）にて発表を行った．しかし，2020年度は新型コロナ感染症のために，被験者を確保することも難しく，また，研究補助者を依頼することもできない状況となった．このような状況下で，感染拡大状況をみながら，感染防止対策をしっかり行い，なんとか実験だけは断続的にを実施することができた．しかし，研究補助者などを集めることができず，人手が不足して，得られたデータの詳細な分析を行うことができなかった．
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は，2020年度十分に検討できなかった静的立位姿勢と奥行き知覚に関する実験データの詳細な分析を行い，COP等の変化より運動の苦手な人の姿勢制御特性を検討する予定である．視覚入力情報（特に奥行き知覚）によって静的姿勢保持がどのように影響を与えるのか，それが運動の得意・不得意に影響するのかとという点についても検討を加える．
これらのデータ分析と並行して，今年度は最終年度であるので，今までの3年間で得られたデータをさらに詳細に分析・検討した上で，原著論文として執筆し，学会誌に投稿する予定である．
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| Causes of Carryover |
国内外での複数の学会発表を予定していたが，新型コロナ感染症の感染拡大により，対面での学会大会が中止やWeb開催となったために，出張旅費がすべて残ったことが大きな理由である．また，実験補助者やデータ処理などに研究補助者を雇いあげる予定であったが，学生が大学に入構できなくなってしまったために雇上げができなくなり，人件費が大幅に残ったことによるものである．
今年度も，新型コロナ感染拡大状況はさらに悪化しており，現在も非常事態宣言が出されている状況にあるので，研究を進める状況は昨年度と殆ど変わらない．したがって，今までの3年間で得られたデータを用いて，さらに詳細に検討を加えることに注力し，それらをもとに原著論文を執筆し，学会誌に投稿することを今年度の計画とし，論文の執筆のための補助（英文チェックなど）や投稿料の費用として研究費を使用する計画である．
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Research Products
(1 results)
