2019 Fiscal Year Research-status Report
The long-term effect of physical activity improvement program which utilized e-Learning
Project/Area Number |
18K10928
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 久雄 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 教授 (30135967)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | e-Learning / 身体活動 / 大学生 / 長期効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本学では教養教育科目「するスポーツ演習」においてe-Learningを活用した身体活動増進プログラムの実践を課している。このプログラムは健康関連体力に関係する持久的運動,レジスタンストレーニング,ストレッチングの3種類の運動習慣化を目的としている。運動の基準はアメリカスポーツ医学会の指針に基づいており,この理論を学び,自ら自分自身のためにプログラムを作成し,実践・記録を行うものである。本研究はこの身体活動増進プログラムの短期効果(授業前後)と長期効果(1年後)を検証するものである。2018年に「するスポーツ演習」履修者(抽選当選者:介入群119名)と履修できなかった学生(抽選落選者:統制群63名)を対象に,授業前・後そして1年後に,GPAQと活動量計(オムロン社製Active style Pro HJA-350IT)を用いて身体活動量,レジスタンストレーニング量(RT),ストレッチング量(St)を調べた。3回の調査を終了し,調査不備のなかった対象は介入群36名(分析対象率30%),統制群45名(分析対象率71%)であった。分析は介入前,介入後,介入1年後の各値について二元配置分散分析を行った。その結果,身体活動増進プログラムは介入前後では身体活動量,RT,Stのいずれもが有意に増加した。また,介入終了1年後において,介入群の身体活動量は統制群に比べると介入後の低下割合が少なく,維持できたといえた。介入終了1年後のRTとStは介入前の値と差がないほどに低下した。したがって,大学生を対象とした身体活動増進プログラムは,身体活動量は短期効果および長期効果があること,RTとStは短期効果のみがあることが示唆された。また,介入群のリフレクションノート,教員の指導については分析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画した測定調査はすべて終了し,本研究の分析とともに論文および報告書を作成している。当初はGPAQに加えて,レジスタンストレーニング量,ストレッチング量を質問紙で調査する予定であったが,活動量計による身体活動量測定を加えることができた。活動量計による測定によって,レベルの高い研究となったと思われる。また,身体活動増進プログラムは身体活動量の長期効果を認めたことは大きな成果と思われる。 また,身体活動増進プログラムをオンライン授業用教材に一部修正し,全国61大学に提供した。現在,活用していただいており,これらの活用状況についても調査したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請した研究は今年度が最終年度となるが,今後は改良すべき点が明らかになったことから,長期効果を生み出すための方策をさらに検討していく。さらに,身体活動増進プログラムを配布した61大学と共同研究を行い,より多くの大学で活用可能な身体活動増進プログラムおよびその教材を作成したいと考えている。
|