2021 Fiscal Year Research-status Report
The long-term effect of physical activity improvement program which utilized e-Learning
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18K10928
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 久雄 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 特任教授 (30135967)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体活動 / e-Learning / 大学生 / 長期効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体活動は虚血性心疾患,高血圧,2型糖尿病,肺炎・肺がん,うつなどの疾病リスクを低減させることが知られている。しかしながら,日本人の身体活動不足者は60.2%と報告されており,運動習慣者が極めて少ないことがわかる。一方,アメリカスポーツ医学会はスポーツ活動とともに日常の身体活動を増やす指導を推奨している。そこで,身体活動増進プログラム(e-Learning)を開発し,本学授業において活用している。この身体活動増進プログラムは健康関連体力を高める持久的運動,レジスタンストレーニング,ストレッチングを,理論学習後,自ら自分自身のためにプログラムを作成し,実践・記録を行うことで,習慣化をはかるものである。本研究はこの身体活動増進プログラムの短期効果(授業前後)と長期効果(1年後)を検証する。2018年に「するスポーツ演習」履修者(抽選当選者:介入群119名)と履修できなかった学生(抽選落選者:統制群63名)を対象に,授業前・後そして1年後に,活動量計を用いて身体活動量を測定するとともに,レジスタンストレーニング量(RT),ストレッチング量(St)を調査した。3回の調査を終了し,調査不備のなかった対象は介入群36名(分析対象率30%),統制群45名(分析対象率71%)であった。分析は介入前,介入後,介入1年後の各値について二元配置分散分析を行った。その結果,身体活動増進プログラムは介入前後では身体活動量,RT,Stのいずれもが有意に増加した。また,介入終了1年後において,介入群の身体活動量は統制群に比べると介入後の低下割合が少なく,維持できた。介入終了1年後のRTとStは減少し,介入前の値と差がなかった。したがって,大学生を対象とした身体活動増進プログラムは,身体活動量は短期効果および長期効果,そしてRT,Stは短期効果があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の測定調査,分析ととも終了し,報告書及び論文を作成しているところである。本身体活動増進プログラムは身体活動量の短期・長期増加傾向を確認できたことから,有効なプログラムと考えられた。しかしながら,新型コロナウイルス感染症拡大により,オンライン授業のために新たな教材を追加対応に追われ,最終報告書および論文の作成に至らなかった。しかしながら,本身体活動増進プログラムは63大学に提供し論文発表を行っていることから,その有用性・汎用性は確認できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
申請した研究成果は本年10月までには学会での成果発表および論文投稿を行い,ホームページに掲載する。
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Causes of Carryover |
2021年度の本科学研究費助成金額(直接経費)は新型コロナウイルス感染症拡大によって学会・研究会等がオンライン開催となり,旅費が不要となった。やむなく次年度まで延長させていただいた。2022年度は学会参加発表と論文投稿を行うとともに報告書を作成し,ホームページに掲載する予定である。
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