2023 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between development of locomotorium and diet and lifestyle among school-aged children.
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18K10933
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
上杉 宰世 大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (10383522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 学童 / 小児 / スポーツテスト / 咀嚼 / Inbody / 体脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年10月に実施した小学生(78名)を対象とした測定(骨密度、インボディ)、調査(家でよく食べている料理)、東京都統一体力テストの結果について集計解析を進め第77回日本栄養食糧学会(2023.5.15)にて以下の内容を発表した。 咀嚼状況の把握には、咀嚼回数ランク表(日本咀嚼学会)を基に、平成19年度児童生徒の食事状況調査報告書(日本スポーツ振興センター)の料理別摂取頻度割合を用いて選定した25品目の食べ物について「よく食べる」「食べる」「あまり食べない」「食べない」から選択し自己記入された調査票を用いた。 咀嚼回数の多い食べ物(コーンフレーク、せんべい、かりんとう、ガム、ポテトチップス、クッキー、キャベツ、ゆでタコ、イカ焼き)を「よく食べる」または「食べる」と回答した児童と「あまり食べない」「食べない」と回答した児童とで、身体組成、骨密度、運動能力について比較した。 その結果、小学生5,6年生の男子においては、咀嚼回数の多い食べ物をよく食べる児童の方が身長が高く(151.6±8.6 : 144.3±9.7 cm)、骨格筋量が多く(19.8±5.0 : 16.3±4.3 kg)、基礎代謝量が多く(1165±117 : 1039±156 kcal)、握力が強い(38.9±14.6 : 30.9±10.1 kg)ことが確認された(MannWhitney: p<0.05)。一方、女子児童では咀嚼回数の多い食べ物と骨密度・体組成・運動能力との関連はなかった。 以上の内容を論文化するにあたり、「咀嚼回数ランク表」の取り扱いについて、和洋女子大学柳澤幸江教授、キューピー(株)、ロッテ(株)と打ち合わせを進めている。 さらに、咀嚼状況を客観的に評価するための機器「バイトスキャン」を併用検討するために、シャープ(株)との打ち合わせも実施しており、来年度は試験的運用調査を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で予定していた対象小学校での調査実施ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に小学校で実施した調査、測定の結果について解析、論文化を進める。 さらに、咀嚼状況の客観的把握方法として、機器を用いた測定を実施する予定である。「バイトスキャン」は耳に装着して食事中の咀嚼行動を測定するデバイスで、噛む回数や速度、噛むバランスなどをトラッキングし、記録することで個人の咀嚼習慣を可視化し、改善するための情報を得ることができる。この器具を用いた研究はほとんどないことから、小児を対象とした健康、食育活動への展開を計画している。
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Causes of Carryover |
収集したデータを用いて論文化をするための準備費および、投稿料として支出する予定である。
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