2019 Fiscal Year Research-status Report
中学校における生徒の主体的活動を促す運動プログラム開発
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18K10954
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本谷 聡 筑波大学, 体育系, 講師 (90344879)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 体つくり運動 / 運動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
子ども達の深刻化する体力・運動能力の低下や運動をする子としない子の二極化等を背景に、子ども達の基礎的な体力や運動能力の育成が課題となっている。そこで、平成29年3月に小学校ならびに中学校学習指導要領が改訂され、特に、中学校においては、「体つくり運動」領域の「体力を高める運動」として示されていたものが、第1学年及び第2学年で「体の動きを高める運動」、第3学年で「実生活に生かす運動の計画」として新たに位置づけられ、これらに対応するための実践的な運動プログラムの開発ならびに運動実施による生徒への様々な運動効果に関する検証が急務な課題である。本研究の目的は、運動の爽快感や喜びを味わうことをねらいとした生徒の主体的活動を促す運動プログラムを開発すること、また、それらの運動効果を運動生理学・心理学的に検証することである。 平成31年度(令和元年度)は、主に7月7日から13日にオーストリアのDornbirnで開催された16th World Gymnaestrada 2019(第16回世界体操祭2019)や各関連学会において、研究課題である「運動の爽快感や喜びを味わうことを主体とした体つくり運動における実践的な運動プログラムの開発」に関する現地調査や資料収集を実施したり、体操や体つくり運動を専門とする指導者や研究者と研究課題に関する意見交換を行ったりすることができた。中でも、4年に一度、ヨーロッパで開催されている「World Gymnaestrada 」における海外での現地調査では、世界中の体操指導者、実践者や研究者のみならず、用具開発に関わる企業などが集結することもあって、今後の研究を充実させるための貴重や資料を得ることができた。最後に、これらの成果の一部を日本体育学会第70回大会や日本体操学会第19回大会等において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度(令和元年度)の実施計画のひとつである「運動プログラムに関する各種調査」について、海外ではオーストリアのDornbirnで開催された16th World Gymnaestrada 2019において、国内では日本体育学会第70回大会をはじめ、専門学会である日本体操学会第19回大会において実施することができ、今後の研究を充実させるための貴重な資料を得ることができた。特に、World Gymnaestrada における海外での現地調査では、世界中の体操指導者、実践者や研究者のみならず、用具開発に関わる企業などが集結することもあって、今後の研究を充実させるための貴重や資料を得ることができたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成31年度(令和元年度)の現地調査を踏まえて、最も重要な研究課題である「生徒が運動の爽快感や喜びを味わたり、ワクワクして主体的に取り組んだりすることができる具体的な運動プログラム」の開発を継続して実施する。その際、運動実施のねらいや実施者の体力・運動能力に適した運動プログラムを開発して構築を目指すとともに、これらの運動効果を運動生理学・心理学的に検証する予定である。運動生理学的検証には、主観的運動強度指標(Borg、1962)と胸部ベルト式心拍計(Polar社製RS400)を活用して運動強度を測定し、運動心理学的検証には、二次元気分尺度(坂入ら、2003)を活用して運動実施前後における気分の変容についても調査する。また、運動プログラムに関する達成度・興味度・難易度に関するVAS法を活用したアンケート調査も実施する予定である。さらに、開発した運動プログラムについて、それらの魅力を多面的に捉えることができるように、静止画ならびに動画を撮影する予定である。
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Causes of Carryover |
主な研究内容である運動プログラムに関する国内外の現地調査やそれらを踏まえた実践的な運動プログラムの開発は順調に実施できたものの、それらの指導現場等に周知する際に必要な各運動プログラムの静止画や動画の撮影が遅れたため。繰り越された研究費に関しては、これらの遅れた作業にともなう費用の経費として使用する予定である。
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