2021 Fiscal Year Research-status Report
健康持続の「からだ気づき」のレジリエンスプログラムの開発
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18K10957
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
高橋 和子 静岡産業大学, スポーツ科学部, 教授 (10114000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 光 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (00293168)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 健康持続 / からだ気づき / レジリエンスプログラム開発 / コロナ禍 / 健康調査 / ダンス上演 / コロナ禍 / 遠隔授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、他者とのかかわりを大事にし、生涯にわたり健康的で活動的な生活を持続的に実現する為の「からだ気づき」(感じる・動く・ひらく・かかわる・表す機能)のレジリエンス(生きる力)プログラム開発が目的である。 2021年度の研究実績は、①「からだ気づき」の実践を通した教材精選、②看護関係者への健康調査(ヘモグロビン値と骨密度測定・生活習慣調査)、③プログラムのweb発信を行った。①の教材精選では「からだ気づき」「体つくり運動」教材を、コロナ禍の影響で大学において対面授業と遠隔授業で行い、どの方法においても自他への気づきが促され肯定的な影響を与えた為、教材の有効性が実証できた。特に、レジリエンスプログラムに依拠した看護学生への「人間関係論」では、コミュニケーションスキルの育成が実証できた。また「からだ気づき」ワークショップを遠隔で大学生・教員・看護関係者に実施し、遠隔での可能性を示唆できた。更に「かかわす・表す」機能を主眼にしたダンス公演の上演は、学生が主体的・対話的に活動し観客との双方向のコミュニケーションが成立した事により成功体験を実感でき、レジリエンスが高まったと言える。②の看護関係者への健康調査では、コロナ禍の影響により心身ともに疲弊している実態が明らかになった。③プログラムのweb発信はコロナ禍に対応する為、積極的に教材をhp(URL:http://kazuko-ynu.jp)にアップし、大学生・看護関係者・高齢者の健康生活に寄与できたと考えられる。 上記の①②③の成果は、国内の学会発表や4件の査読論文としての発刊や雑誌論文等を通して、特にコロナ禍に対応した研究成果を社会に発信する事ができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究テーマは「健康維持のからだ気づきのレジリエンスプログラム開発」であり、その解明の為に、①身体論研究、②プログラム開発、③指導者の教師行動分析、④受講者の行動変容等を明らかにする方法を取った。2018-2020年度の研究計画において①②③④はある程度実証済みであった。 ただし、コロナ禍の影響により、2021年度は②③④について更に検証する計画を立て、その進捗状況は下記の通りである。②プログラム開発では、コロナ禍の影響により、遠隔での多様な対象者(学生・教員・看護師・高齢者)への実践を行った事が本研究の進展に繋がったと考えられ、当初の計画以上の成果がみられた。特にzoomによる「からだ気づき」ワークショップでの受講者の反応は、対面と同様の肯定的な受け止め方であった。③指導者の教師行動分析では、連携研究者(吉田美和子・藤田美智子・伊藤麻希・笠井義明)の教師行動分析により、「気づきを促す」ことが重要であることが明らかになった。④「受講者の行動変容:生活習慣での健康改善調査」においては、健康機器を利活用したデータ収集ができた。以上の事を総合的に評価すると、研究の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と言える。ただし、新型コロナウィルス感染の影響により、米国、オランダ、フィンランドへの調査は実施する事ができなかった。そこで、2022年度まで研究延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、当初予定していた海外でのボディワーク調査は中止する。それに代わり、「からだ気づき」に類似したボディワーク実践「センリー・アウェアネス」に着目する。すでに、2021年度の海外の指導者による遠隔でのワークショップにおける、指導者の言葉かけのデータ収集は済んでおり、発言内容を計量テキスト分析する。 また、国内のS大学スポーツ科学部や看護関係者への「からだ気づき」受講者の学んだ内容の記述分析を行う。さらに、「2022年度静岡県すこやか長寿祭」参加者(ねんりんピック2023選手予定者)への聞き取り調査ができれば、長寿者のスポーツ・文化活動のレジリエンス効果を推察できる。これらの事も含め、本研究の5年間にわたるまとめを行う。
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Causes of Carryover |
本研究の申請当初は対面でのプログラム実践や国内外での調査を予定していたが、2020-2021年度の対面実践はできなかった。2022年度はコロナとの共生を図りながら、国内での対面「からだ気づき」プログラム実践や関連した調査を行う。その為に計上していた支出経費を、次のように変更する必要性と計画の変更が出てきた。①国外への旅費使用に変わり、海外の遠隔でのボディワークの取材・人件費(取材・資料整理・分析)・謝金(専門的知識の教授)、②国内での調査における旅費・人件費(取材・資料整理・分析)・謝金(専門的知識の教授)等である。なお、研究分担者の山本光横浜国立大学教授は2018~2020年度の3年で終了したため、2022年度は年間の分担経費130,000円の支出はなくなる。
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Research Products
(15 results)