2020 Fiscal Year Research-status Report
手指の運動は高次脳機能を向上させるのか?脳機能計測を用いた認知機能の検討
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18K10959
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
和坂 俊昭 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60390697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 哲夫 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 室長 (80419861)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 巧緻的運動 / 手指 / 認知機能 / 脳磁図 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジョギングやサイクリングといった全身を用いた持久的運動によって、高次脳機能が高まる研究報告はこれまでに多くみられる。本研究は、持久的運動ではなく、局所的な運動において高次脳機能を高めることができるのかを検討するものである。局所的な運動については、大脳皮質における運動領域と体性感覚領域の支配領域が、他の身体部位と比較して圧倒的に広い手指の運動に注目している。 本年度は、手指の単純な運動と複雑な運動時における一次体性感覚領域の活動変化に関する研究成果をまとめ、国内学会(オンライン開催)で発表するとともに、国際誌に投稿した。また、実験については、これまでに明らかにしてきた、手指の巧緻的な運動を遂行した後、高次脳機能を促進できるのかを明らかにする予定であった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた実験を遂行することができなったため、実験の進捗がほとんどない状態であった。しかし、高次脳機能の中で、実行機能を評価できるフランカー課題や、空間処理能力や身体像に関連するメンタルローテーション課題を作成し、実験をすぐにでも遂行できる準備は整えている。フランカー課題とメンタルローテション課題では、反応時間とエラー率を計測し、課題遂行中の脳波活動の結果から、手指の運動が注意の配分や情報処理の速度に対して与える影響を明らかにする。これらの実験については、次年度以降に、出来るだけ早く取り掛かる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた被験者を用いた実験は中断していたため、研究の進捗は大幅に遅れている。手指の運動に関する脳活動に関する研究成果については、論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
手指の巧緻的な運動については、これまでの研究成果から手指の力調節課題を用いる予定である。また、高次脳機能を評価する実験課題の作成も終わっているため、出来るだけ早く被験者を用いた実験を遂行し、データ解析を行いつつ、並行して学会や国際誌において発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、実験遂行の遅れが生じた点、学会への参加が当初予定した回数よりも少なくなった点により、次年度の使用額が生じた。実験に用いる消耗品、学会へ参加費と交通費、投稿中の論文が採択された後の掲載料として使用予定である。
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