2019 Fiscal Year Research-status Report
運動部活動における不適応生徒の予防的指導のための尺度の開発
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18K10961
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
伊藤 豊彦 久留米大学, その他部局等, 教授 (20144686)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動部活動 / 適応 / 心理欲求 / 自己決定理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動部活動における不適応生徒の予防的指導のための尺度の開発に関する研究の令和元年度の主な実施状況は、以下の通りである。 まず、運動部活動への適応状態を測定するために、大久保(2005)が作成した「居心地のよさ」、「課題・目的の存在」、「被信頼・受容感」、および「劣等感のなさ」の4下位尺度からなる青年用の適応感尺度を使用することとした。また、自己決定理論に基づく基本的心理欲求の測定については、これまで検討されてきた3つの心理欲求(自律性、有能さ、関係性)の充足に加え、それぞれの欲求不満も測定できる尺度として開発された基本的心理欲求の充足・不満測定尺度(Basic Psychological Need Satisfaction and Frustration Scale: BPNSFS)の日本語版(Nishimura and Suzuki, 2016)を使用することとした。なお、質問項目の一部を運動部活動用に修正した。 つぎに、以上の尺度からなる質問紙調査を作成し、本研究の実施を本学倫理委員会へ申請し、承認を得た(令和元年8月9日付:研究番号372)。 以上の手続きの後、まず、予備的調査として、本学運動部員83名を対象に質問紙調査を実施し、調査内容や実施時間等を確認した。 さらに、中学及び高校運動部員を対象とした調査の実施について、福岡県体育研究所に協力を求め、福岡県教育委員会並びに学校長の承認を得て、県内中学校・高校への調査協力依頼を行った。なお、大学生を対象とした研究結果は、日本スポーツ心理学会で発表予定であるが、中学・高校生の調査は、新型コロナウィルスの関係で学校が休業状態であることから、その実施が大幅に遅れることが危惧される状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で使用する尺度を特定し、本学倫理委員会での承認を得るとともに、福岡県教育委員会を通して調査実施校の校長に実施許可を得ているため。ただし、調査の実施については、当初3月を予定していたが、前述したように、新型コロナウィルスによる中学校及び高校の休校処置に伴い、6月以降に延期せざるを得ない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
大学生を対象とした調査結果については、11月に開催予定の日本スポーツ心理学会において発表予定であるが、すでに調査実施校に配布済みの調査については、中学・高校の授業再開の判断を待たざるを得ない。
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Causes of Carryover |
資料収集のために参加を予定していた学会が新型コロナウィルスの関係で相次いで中止されたことによる。なお、今年度助成金とともに成果発表旅費として使用する予定である。
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