2018 Fiscal Year Research-status Report
骨盤底筋群収縮トレーニング後の脳機能の変化についての解析
Project/Area Number |
18K10965
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
神尾 博代 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (30289970)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨盤底筋 / ウイメンズヘルスケア / 尿失禁 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では女性活躍が政策課題となっている一方で、尿漏れや尿失禁の予防のためのウイメンズヘルスケアリハビリテーションが十分認知されておらず、研究も不十分な状況にある。そこで本研究は、尿失禁予防と関連している骨盤底筋群の随意収縮を行うための、より学習効果の高いエクササイズ方法を、脳機能の変化の側面から研究するものである。 2018年度は、骨盤底筋群の随意収縮の学習に関する先行研究を洗い出し、学習効果の高いエクササイズ方法を調査した。呼吸方法を指導し、肋骨の可動性を改善することで横隔膜にアプローチし、呼吸により連動する骨盤底筋群の作用を改善できるとの先行研究を確認するため、新たに購入した持ち運び可能な超音波診断装置を用いた研究を行った。その結果、骨盤底筋そのものを触診するなどのアプローチをしなくても、骨盤底筋群の収縮がより活発になることなどが明らかになった。骨盤底筋群を収縮しやすい身体環境を整えるだけでも改善が期待されることを示唆する結果と考えられる。 本研究でこれまでに設定した収縮条件は、若年成人女性について、骨盤底筋群随意収縮が規定の回数及び時間を「満たせる者」と「満たせない者」、また規定の収縮が一部困難な「部分的に満たせる者」の3群に分けてfMRI装置により脳の活動状況を計測・検証することである。プレテストで得たfMRI画像の分析も現在、同時並行で行い、骨盤底筋群の随意収縮の有無の違いによる関心領域の分析・検討もしているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計測場所や使用時間を自由に選択できる簡便かつ持ち運び可能な超音波診断装置の選定及び購入が遅れたため、予定していた計測が2019年2月以降開始と遅れてしまった。 呼吸方法を指導し、肋骨の可動性を改善するとのアプローチを、超音波診断装置を用いて確認した結果、骨盤底筋の収縮がより活発になることが明らかになった。これは、骨盤底筋群を収縮しやすい身体環境を整えるだけでも改善が期待されることを示唆するものであり、これまでに設定した骨盤底筋群の随意収縮の学習方法を再考する必要が生じた。 このため、これまで設定した収縮条件では、収縮可能かどうかの分類をすることが正確ではない可能性が生じ、身体環境を調整した後に収縮可能かどうかを判断することにした。また、姿勢による内臓の重力の影響に関して、どれほどの影響があるのかを明確化する必要があることもわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
骨盤底筋随意収縮を学習するエクササイズ方法を再考し、fMRIの画像を撮像する。また、画像解析にあたっては、画像解析ソフトを変更し、実施することでより正確な関心領域の抽出を行う。 研究計画の中で骨盤底筋群の随意収縮の基準を設定していたが、身体環境を調整した後に収縮が可能かどうかを判断することとし、基準を変更する予定である。
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Causes of Carryover |
前倒し請求を行い、その際に備品を購入した残金が生じたことにより、次年度使用額が生じた。前年度は計測開始時期が遅れたため、十分な計測を行えなかった。 今年度は計測人数を増やすことから、対象者への謝礼と実験計測補助者への人件費、必要な消耗品購入として使用する予定である。
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