2020 Fiscal Year Research-status Report
骨盤底筋群収縮トレーニング後の脳機能の変化についての解析
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18K10965
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
神尾 博代 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (30289970)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨盤底筋群 / 超音波画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、骨盤底筋群の随意収縮が可能な者と不可能な者の脳機能の違い、および骨盤底筋群の随意収縮が可能になった後の脳の活動と収縮ができなかったときとの違いを比較分析することである。 2020年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、対象者に研究への協力を得ることが困難になった。また、所属施設の磁気共鳴画像装置(MRI装置)の入れ替えが2020年度内に行われることが決定し、研究途中で使用機器の変更が生じた場合に骨盤底筋群の随意収縮が行えない時点と行えるようになった時点での学習前後の脳活動の比較をすることが難しくなることから、本研究を進めることができない状況となった。 そこで、骨盤底筋群の随意収縮を確認する方法として、本研究で行っている超音波診断装置を使用した経腹による骨盤底筋群の撮像方法に関して検討した。これまでの計測方法をもとに、先行研究から得られた知見を考慮して、骨盤底筋群の収縮を撮像する方法に関して、予備研究を行った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、研究参加を希望する対象者が大幅に減少し、超音波診断装置による撮像方法を十分検討できるほどの対象者を得ることができなかった。この予備研究で、協力が得られた対象者に口頭指示による骨盤底筋群の随意収縮を行ってもらったが、これまで以上に随意収縮が可能な対象者が少なく、課題の練習方法について再検討する必要があることがわかった。 また、骨盤底筋群を随意的に収縮させることができない対象者の中には、収縮感覚がほとんどないために、収縮状態と安静状態に対象者自身が違いを感じられないまま計測が行われている状況もみられた。このため、骨盤底筋群の随意的収縮が行えない時点での脳機能計測においては、この点を考慮した脳機能計測の実験デザインの工夫やデータの解析方法の検討が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属施設のMRI装置の老朽化にともない、2020年度に新しいMRI装置を購入することになり、装置の入れ替えのため2020年12月から2021年3月までの4か月間使用することができない状況となった。今年度は測定データの整合性を図るため旧装置での計測を断念し、新装置での計測方法について再検討する必要が生じた。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う度重なる緊急事態宣言により、研究協力者の協力を得るのに困難を要したため、当初の予定より研究の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の検討において、これまでは口頭指示だけで随意収縮が可能な対象者がいたが、口頭指示だけでは改善されないなど、今まで以上に骨盤底筋群の随意収縮ができない対象者への練習方法を再検討する。それを踏まえて、新しいMRI装置を用いた骨盤底筋群の随意的筋収縮時の脳活動の計測方法(実験プロトコル等)について検討し、脳機能の計測をできる限り迅速に実施可能なようにしていく。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウイルスの影響および使用機器の入れ替えにより、予定していた計測を行うことができなかったため、研究費を使用することがなく、次年度使用額が生じた。
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