2018 Fiscal Year Research-status Report
学童の体格を簡易に評価できるシステム制作と健康教育への展開
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18K10966
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Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
伊藤 善也 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70241437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 成長曲線 / 学校保健 / Microsoft Excel / スクリーニング / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は学校現場における成長曲線の活用状況を意見聴取と文献調査により把握することから開始した。平成28年度から学校保健の場で成長曲線を積極的に活用することが文科省より指示されているが、学校保健の場では十分に活用されてはいなかった。小学校や中学校の養護教諭との意見交換のなかで小規模校ではひとりひとりの児童・生徒について成長曲線を描画することは可能だが、大規模校ではそこまできめ細かく対応することは困難であると指摘された。また自治体によっては医師などのバックアップにより描画された成長曲線を判定するためのスクリーニング体制が先進的に構築されているが、全国的にみると少数であった。(公財)学校保健会が教育機関に配布したプログラム「子供の健康管理」は十分に活用されている例は多くなかった。このような状況のなかで成長曲線が保護者や児童・生徒が理解できる形で届けられていないことは明らかである。 このような現状を踏まえて、まずは小学校や中学校の養護教諭と保護者を対象にした質問紙作成を行った。養護教諭にはPC環境、学校健診で得られた身体計測値の管理方法、成長に関する情報を学童・生徒や保護者にどのように還元しているかについて質問を構成した。また保護者に対しては身長と体重をどのように評価するか、成長曲線を作成する意味、成長を評価する方法について確認する内容である。 次にMicrosoft Excelのシートを利用して年月日情報と身体計測値を並べて、グラフ化するシステムを試作した。Visual Basic Application(VBA)を利用すると複雑な操作を簡便化できるが、それを利用するためにはPCのセキュリティー環境を緩和せざるをえない。ファイルを教育機関や家庭で広く利用してもらうためにはセキュリティー環境を緩めることは好ましいことではないと判断して、VBAは利用しないこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備的な調査(意見聴取と文献検討)を開始する時期が遅れたことに加え、養護教諭から意見を聴取する場を設定できたのが平成30年10月と12月となったために全体の進捗が遅れた。質問紙調査については研究計画書を作成し、本学の研究倫理審査委員会に諮る準備を完了した時点で平成30年度の研究は完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度第1四半期に調査研究に関する計画書について倫理審査を受けて、調査を実施する。さらにMicrosoft Excelを利用した成長曲線描画ファイルの初版を作成する。それを第4四半期までに学校関係者や保護者に試用してもらい、ファイルの問題点を明らかにする。
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Causes of Carryover |
初年度に計画した研究内容の実施が先に述べた理由により遅延したため、その分を令和元年度の第一四半期に行う。具体的には調査研究に関する計画書について本学の研究倫理委員会の審査を受けて、調査を実施する。その後は当初の計画通りにMicrosoft Excelを利用した成長曲線描画ファイルの初版を作成する。それを第四四半期までに学校関係者や保護者に試用してもらい、使用感や問題点を明らかにする。
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Research Products
(4 results)