2019 Fiscal Year Research-status Report
学童の体格を簡易に評価できるシステム制作と健康教育への展開
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18K10966
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Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
伊藤 善也 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70241437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 成長曲線 / 学校保健 / 質問紙調査 / 保護者 / 養護教諭 / 成長曲線描画ファイル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は小・中学校の養護教諭と保護者を対象にした質問紙を作成した。それを受けて今年度は調査を実施した。 対象は北海道内3市の小学生2,157名と中学生497名の保護者、およびその3市とオホーツク総合振興局内の小学校139校と中学校83校、および全国の特別支援学校130校である。回収率は保護者が44%、養護教諭は53%であった。 保護者は体重評価に用いる用語(ローレル指数、BMIや肥満度)を50-80%程度も認知しているが、身長評価に用いるpercentileやSDスコアの認知は10%に過ぎなかった。さらにそれらを理解しているとする割合は30~55%、10%未満であった。成長曲線を自分で描けるとするものは60%に過ぎず、また後天性甲状腺機能低下症の典型例(体重は増加するにもかかわらず身長の伸びは鈍化している例)における成長曲線を提示して、対応方法を選択させる質問では、病院での診断・治療が必要としたものは10%に過ぎなかった。一方で、子どもの成長に関する知識を得たいとするものが80%もいた。保護者が保有する電子機器はスマホが90%を越えていたが、PCは59%、タブレット端末は48%であった。 養護教諭は体重に関する用語を90%が理解し、身長ではpercentileが65%、SDスコアが50%の理解度であった。養護教諭から保護者に情報を伝達するときにどのような用語を用いればよいかという問いには肥満度が60%と高かったが、身長を含めて他の指標は適さないという回答であった。また成長障害に関して相談できる医師や精査目的で受診できる病院などの情報や医師などの専門職に情報伝達の資材の作成を求めるものが60%以上いた。 これらを踏まえて、Microsoft Excelを利用した成長曲線描画ファイルの初版を作成した。作成にあたっては保護者の理解度や養護教諭の認識を前提にして、教育的な要素を含めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Microsoft Excelで作成した成長曲線描画ファイルを第4四半期までに学校関係者や保護者に試用してもらい、ファイルの問題点を明らかにする予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大と諸活動の自粛により実施を見合わせている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度の研究成果を踏まえて、Microsoft Excelをベースにした成長曲線描画ファイルの初版をさらに練り上げていく。現在の新型コロナウイルス感染症の流行状況を踏まえると小学校や中学校に依頼して、保護者は養護教諭に使用感を確認したり、実際に現場で使っていただくことは難しい。個人的な関係のなかでファイルを利用してもらい、ファイルをより使いやすい、かつ教育的なものにしていく。
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Causes of Carryover |
予算を順調に消化したが、端数が生じて残額が6,241円となった。2020年度の予算のなかに組み込んで物品費として支出する予定である。
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Research Products
(5 results)