2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of optimum exercise program aiming at brain activation in cognitive-motor control.
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18K10969
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
加藤 雄一郎 平成国際大学, スポーツ健康学部, 教授 (90393173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知-運動制御機能 / 事象関連電位 / Go/NoGo 反応時間 / 有酸素性運動 / 運動強度 / 全身持久性体力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,継続的な有酸素性運動に伴う認知-運動制御機能の効果が,①どのような運動強度や快適感情でもたらされるのか,②全身持久性体力との関連性がどうなっているのかについて,反応時間,事象関連脳電位,ストレス指標(唾液アミラーゼ),快適感情尺度を用いてその機序を明らかにすることである。初年度は,認知-運動制御機能を一過性に活性化させる有酸素性運動の強度・様式を明らかにすることであった。対象者は健常成人 12 名(男性9名,女性3名)であった。有酸素性運動は自転車エルゴメーター(232CXL, Combi)による自転車漕ぎを用いた。この運動課題の強度を設定するために (1) 最大酸素摂取量の測定,(2) 運動課題の強度設定(①高強度インターバル,②中等強度)を実施した。運動中の呼気ガス(O2,CO2)は,呼気ガス分析器(VO2000, S&ME)を用いてブレス・バイ・ブレス法で計測した。心拍数の計測には心拍モニタ(RS400, Polar)を用いた。(1) 最大酸素摂取量の測定は,多段階漸増負荷(男性, 25W/min;女性, 20W/min)を用いた。その結果,男性 50.0±4.2 mL/kg/min,女性 42.6±3.4 mL/kg/minであった。(2) ①高強度インターバルの運動強度は,高強度(85% 最大出力パワー)90秒,低強度(50W)60秒の運動を4セット繰り返すものが妥当であることがわかった。高強度の出力パワー,心拍数は男性 220±22 W, 179±15 bpm;女性 167±15W, 174±11 bpm であった。②中等強度の強度設定は,最大出力パワーの60%近辺を採用した。運動開始 2-3 分後に酸素摂取量,心拍数が定常状態になる出力パワーを設定した。これらの結果より,有酸素性運動の高強度インターバル,中等強度のプロトロールが決定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では,自転車エルゴメーターによる自転車漕ぎ運動において,運動強度を3種類に設定して認知-運動制御機能に与える一過性の効果を検証しなければならない。認知-運動制御機能の評価には,Go/NoGo 反応課題における事象関連電位(脳波)計測を用いる。 現在までの進捗状況は,検討すべき運動強度の設定までが終了している。被験者の最大有酸素性作業能力(最大酸素摂取量,最大出力パワー)を測定し,運動課題の運動強度(高強度,中等強度)を酸素摂取量,出力パワー,心拍数から推定し,それぞれの被験者に合致した設定になるように計測を行った。高強度は 85% 最大出力パワー(90%HRmax)によるインターバル,中等強度は 55% 最大出力パワー(75%HRmax)が最適であることが明らかとなった。 次に事象関連電位(脳波)計測が必要となるため,脳波計(生体アンプ,Polymate Pro)を購入したが,Go/NoGo 反応課題を実施するためには,光刺激装置と反応スイッチが必要となり,事象関連電位の分析には,多チャンネル・データ収集・解析アプリケーションが必要となる。しかし,光刺激として用いる LED へ電気信号を出力制御するための PC が故障,さらに反応スイッチの電気信号を脳波計に入力するためのアナログ出力ボックスが故障した。そのため新規で光刺激を制御する PC と刺激発生プログラムが必要となったため,刺激発生プログラムを作動させるアプリケーション(LabVIEW, National Instrument)を購入した。LabVIEW を使用して刺激発生プログラムを作成中である。また,アナログ出力ボックスは,電気回路を修理し,正常動作するようになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進するためには,認知-運動制御機能を一過性に改善させるであろう運動課題の設定は終了しているため,認知-運動制御機能の評価を行うための実験系の整備を実施しなければならない。Go/NoGo 反応課題を行うために,新しく刺激発生プログラムを作成する必要性が生じた。このプログラム作成を早急に実施し,光刺激を呈示できるようにする。また,それを作動させるためのノートPCを購入する。実験で得られる脳波データから事象関連電位を解析するためには,数値演算アプリケーション(MATLAB, MathWorks)を用いた解析プログラムを準備しなければならない。その解析プログラムを作成し,必要があれば解析用の PC を購入する。
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Causes of Carryover |
当該年度は,ほぼ順調に研究費を使用した。「人件費・謝金」で生じた差額(次年度使用額)を次年度の「人件費・謝金」に使用する予定である。
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