2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of optimum exercise program aiming at brain activation in cognitive-motor control.
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18K10969
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
加藤 雄一郎 平成国際大学, スポーツ健康学部, 教授 (90393173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知-運動制御機能 / 事象関連電位 / Go/NoGo 反応時間 / 有酸素性運動 / 運動強度 / 全身持久性体力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,継続的な有酸素性運動に伴う認知-運動制御機能の効果が,①どのような運動強度や快適感情でもたらされるのか,②全身持久性体力との関連性がどうなっているのかについて,反応時間,事象関連脳電位,ストレス指標(唾液アミラーゼ),快適感情尺度を用いてその機序を明らかにすることである。対象者は健常な学生 12 名であった。そこから高強度インターバル(HIT)群6名,中等強度(MCT)群6名に無作為にグループ分けを行った。運動課題は,高強度インターバル走(90%HRmax, 90 s 高強度 + 60 s 低強度を4セット),または,30 分間の中等強度ジョギング(75% HRmax)を週3回3ヶ月間実施させた。介入前後に,VO2max,左右選択 Go/NoGo 反応課題を実施し,反応課題遂行中の脳波を Fz,Cz,Pz より記録し,事象関連電位 P3 を計測した。VO2max は,HIT 群で有意に低下したが,MCT 群は有意な向上を示した。反応時間は,両群とも運動介入後に有意に早くなることが認められ(HIT 群:270, 258 ms;MCT 群:282, 274 ms)。,MCT 群の方が一過性の向上効果が大きかった(pre:287, 277 ms;post:279, 268 ms)。Go-P3 振幅は両群で運動介入後に増大することが認められ,有酸素性運動に対する一過性のセンシティビティについては MCT 群の方が大きくなる傾向であった。30 分間の中等強度運動は,脳の実行機能の慢性的な改善に最も効率的であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知-運動制御機能の評価には,Go/NoGo 反応課題における事象関連電位(脳波)計測を用いる。現在までの進捗状況は,当初計画の検討課題1の実験が終了し,脳波解析を含めて,学会報告まで実施することができた。本年度の検討課題2では,2種類の運動強度(①中等強度,②高強度インターバル)による3ヶ月間の運動介入を実施し,認知-運動制御機能に与える持続的効果(トレーナビリティ)を検証しなければならない。しかし,新型コロナウィルス感染拡大の防止のため,被験者実験そのものが8ヶ月間の停止となった。そのため,実験は未だ途中の段階となっている。被験者 12 名を対象に①中等強度(ジョギング,6 名),②高強度インターバル群(6 名)に分け3ヶ月の運動介入研究(トレーニング実験)を開始した。運動介入前の反応時間,心理アンケート(快適感情尺),脳波計測まで終了し,脳波解析を含めて,学会報告まで実施することができた。両群とも運動後に一過性に認知-運動機能が向上し,3ヶ月間の運動加入によって反応時間が改善していることが確認できた。追加実験として被験者を 12 名追加し,運動介入前のテストは全て実施したが,介入途中で対象者が新型コロナ感染(陽性)や濃厚接触者となったりで中断を余儀なくされた。そのため運動介入後の実験がスムーズに開始できない状況に陥った。
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Strategy for Future Research Activity |
検討課題2のパフォーマンスデータからの研究成果を裏付けるために,脳波解析(事象関連電位 P3)の作業を引き続き実施していく。また,サンプル数を増加させるために,中等強度トレーニング,高強度インターバルトレーニング(HIT)による週3回3ヶ月間の運動介入実験の被験者を募集する計画である。追加する被験者数は,4 名程度を予定している。被験者数の募集と脳波解析のための時間を確保することが,今後の研究推進の重要な鍵となる。
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Causes of Carryover |
当該年度は,トレーニング課題を実施する予定被験者の半数のみの募集しかできなかったため,「人件費・謝金」の支出が減少した。また,予定していた学会が新型コロナウィルス感染拡大防止のためにオンライン開催となったため,「旅費」での経費支出が発生しなかった。生じた差額(次年度使用額)を次年度の「人件費・謝金」に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)