2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of optimum exercise program aiming at brain activation in cognitive-motor control.
Project/Area Number |
18K10969
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Research Institution | Heisei International University |
Principal Investigator |
加藤 雄一郎 平成国際大学, スポーツ健康学部, 教授 (90393173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知-運動制御機能 / 事象関連電位 / Go/NoGo 反応時間 / 有酸素性運動 / 運動強度 / 全身持久性体力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,継続的な有酸素性運動に伴う認知-運動制御機能の効果が,①どのような運動強度や快適感情でもたらされるのか,②全身持久性体力との関連性がどうなっているのかについて,反応時間,事象関連脳電位,ストレス指標(唾液アミラーゼ),快適感情尺度を用いてその機序を明らかにすることである。対象者は健常な学生 19 名であった(昨年度から 7 名の追加)。そこから高強度インターバル(HIT)群10名,中等強度(MCT)群9名に無作為にグループ分けを行った。運動課題は,高強度インターバル走(90%HRmax, 90 s 高強度 + 60 s 低強度を4セット),または,30 分間の中等強度ジョギング(75% HRmax)を週3回3ヶ月間実施させた。介入前後に,VO2max,左右選択 Go/NoGo 反応課題を実施し,反応課題遂行中の脳波を Fz,Cz,Pz より記録し,事象関連電位 P3 を計測した。VO2max は,HIT 群,MCT 群ともに有意に低下した(41.0 vs 37.7 mL/kg/min)。Go/NoGo 反応時間は,両群とも運動介入後に有意に早くなることが認められ(HIT 群:274, 269 ms;MCT 群:289, 282 ms),HIT 群の方が慢性的な向上効果が大きかった(pre:284 vs 270 ms)。また,MCT 群の方が運動介入後の一過性の向上効果が大きかった(post:289, 275 ms)。Go-P3 振幅は両群で運動介入後に変化は認めらなかったが,有酸素性運動に対する一過性のセンシティビティは HIT 群の方が大きくなった。NoGo-P3 振幅は,有酸素性運動に対する一過性のセンシティビティが両群で低下する傾向であった。これらの結果から,脳の実行機能の慢性的な改善に最も効率的なのは,高強度インターバル運動であることが示唆された。
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