2018 Fiscal Year Research-status Report
カンボジアの子どもたちにおけるラジオ体操による健康づくり
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18K10975
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
武藤 三千代 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80174457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 体育教育 / 健康教育 / 体格測定 / 体力測定 / ラジオ体操 / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
発展途上の国では、社会的経済的基盤の整備が最優先されており、教育に関しては識字教育が中心となり、体育や健康に関しての教育が軽視されているとの報告があるが、発展途上国にこそ次世代を担う子どもたちに対する健全なる体育・健康教育が必要である。カンボジア王国は、1991年のパリ和平協定を経て、新しい国造りの過程にあり、その復興、開発には総合的な教育開発および人材育成が急務であり、次世代を担う子どもたちの健全育成が国家の発展への最重要課題の1つとされている。そこで、カンボジア・シェムリアップ州各地域の子どもたちに対して、日本古来の「ラジオ体操」を奨励及び継続実施し、定期的に運動を実施する習慣を体得させるとともに、その効果を体格・体力、生活習慣、健康状態に関しての調査より明白にし、「ラジオ体操による健康づくり」の基盤を作成し、発展途上国における体育・健康教育に役立てることを目的とし測定調査を開始した。 カンボジア・シェムリアップ州教育省スポーツ局により調査指定校(小学校)5校を選定いただき、2018年12月に指定校校長および教員に本研究の説明および打合せ行った。2019年3月には、各指定校の児童男女約100名を対象に、体格は身長と体重、体力は握力(筋力)、長座体前屈(柔軟性)、立ち幅とび(瞬発力)、時間往復走(敏捷性)の測定を行った。同時に、対象児童に生活習慣(起床・就寝時刻、食習慣、運動習慣、勉強、手伝い、余暇等)および健康状態についてのアンケート調査を実施した。さらに5校のうち3校については、「ラジオ体操」の方法を説明し、実際に児童に対してラジオ体操の指導を行い、今後継続的にラジオ体操を行うことを依頼した。ラジオ体操は、号令をクメール語にしたCDを使用した。3月の測定・調査結果については統計分析中である。今後さらに年2回継続して測定・調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カンボジア国内で2018年7月に下院選(総選挙)が行われたため、研究に協力していただく現地教育省スポーツ局の体制が安定してから研究打合せ等を開始した。したがって当初の予定よりは開始が少し遅れたが、第1回目の測定・調査も終了し、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き年度内に2回調査指定校5校に来校し、対象児童に体格・体力測定およびアンケート調査を実施する。5校中3校については、ラジオ体操実施状況の確認とともに、ラジオ体操の指導を行う。 シェムリアップ州の小学校教員(調査指定校以外も含む)に対して「ラジオ体操」についてのセミナーを開催し、前年度の体格・体力測定結果(途中経過)等を報告する。さらにラジオ体操の方法を説明・実施し、ラジオ体操を普及させる。指定校教員に対しては、実施上の問題点等のディスカッションを随時行う。
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Causes of Carryover |
2019年3月カンボジアシェムリアップ州へ測定・調査に行った旅費分が今年度使用額に入っていないので、この分は次年度使用額となり問題はない。
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