2019 Fiscal Year Research-status Report
最大を表す語彙を伴った無自覚的動機づけが運動系と瞳孔調節系神経活動に与える影響
Project/Area Number |
18K10976
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宝田 雄大 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70367093)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | goal-priming / unconscious motivation / motor system / TMS / pupillometry / effort |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第二の目的は、最大を表す語彙を伴った無覚的動機づけが運動系、瞳孔関連神経調節系、運動出力に与える影響を明らかにするために、古典的条件付けを模したパラダイム下(Takarada & Nozaki, 2014; 2017)でTMSの反対側M1単発刺激のMEP、瞳孔径等を取得し、握力に与える影響を調べることである。 次年度は最大を表す語彙を伴った無覚的動機づけの視覚刺激を作成するために、①「最大の」と前向き形容詞の努力感[category-ratio (CR-10) scale]と好感度(a 9-point scale)の定量化とそれらの比較、②運動目標となる身体活動を表す動詞と中性の副詞の選定と好感度の定量化、③それらの視覚刺激の対呈示のサブリミナルテストをおこなった。その結果、①「最大の」、「非常な」、「かなりの」の努力感と好感度はそれぞれ9.7±0.64とM=7.1±1.45、8.2±1.29 とM=5.5±1.48、7.8±1.33とM=5.9±1.54であり、「最大の」が最も大きな努力感と好感度を表す形容詞であることがわかり、②動詞では「発揮する」、「成し遂げる」、「果たす」、「実行する」、「行う」が、副詞では「ほとんど」、「少なくとも」、「最終的に」、「ほぼ」、「すでに」が選定され、それらの好感度はそれぞれM=6.93と(M=5.38)であった。また、運動目標となる動詞の閾下呈示のサブリミナルテストの結果は49.9%±1.6%であり、それらの見えが意識的に上らないことがわかった。 以上から、最大を表す語彙を伴った無覚的動機づけでは、「最大の」と「発揮する」、「成し遂げる」、「果たす」、「実行する」、「行う」とを対呈示し、閾下と閾上呈示時間はそれぞれ、33msと150msとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「最大」の語彙を伴った無覚的動機づけが運動系、瞳孔関連神経調節系、運動行動に与える影響を明らかにするため に、古典的条件付けを模したパラダイム下(Takarada & Nozaki, 2014)で経頭蓋的磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation, TMS)の反対側の一次運動野 (MI)単発刺激の誘発筋電図(MEP)、瞳孔径を取得し、握力に与える影響を調べるためには、まず、「最大」の語彙を伴った自覚的及び無覚的動機づけの視覚刺激をプログラムしなければならず、そのために、①「最大の」と前向き形容詞の努力感[category-ratio (CR-10) scale]と好感度(a 9-point scale)の定量化とそれらの比較、②運動目標となる身体活動を表す動詞と中性の副詞の選定と好感度の定量化、③それらの視覚刺激の対呈示のサブリミナルテストをおこなったことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、2019年度プログラム作成できた「最大」の語彙を伴った無覚的動機づけが運動系、瞳孔関連神経調節系、運動行動に与える影響を明らかにするために、「最大」の語彙を伴った自覚的及び無覚的動機づけ中の経頭蓋的磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation, TMS)の反対側の一次運動野 (MI)単発刺激の誘発筋電図(MEP)、瞳孔径を取得し、握力に与える影響を調べる予定である。
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