2018 Fiscal Year Research-status Report
熟練者の視線を繰り返し体感できるVR型サーフィン・トレーニングシステムの実現
Project/Area Number |
18K10977
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀越 力 湘南工科大学, 工学部, 教授 (00739782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 佳恵 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (90584441)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サーフィン / 筋電計測 / 360°映像 / VR体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
実際のサーフボードに乗り,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)で実際の波のりの360°映像を視聴しながら,サー フィンの繰り返し体験を実現するための基礎検討を進めている。現状、海上での計測が困難であるため、基礎検討として、室内で実験を行った。サーフセットという、ゴムボールの上にサーフボードをおき、波乗りの状態を再現できる装置を利用し、被験者には、実際に波に乗っている状態を想定した動きをしてもらい、筋肉の動きの変化を計測した。 具体的には、2種類の計測を行った。一つ目は、両足の脛、ふくらはぎ、大腿の前後、腹筋、背筋の12カ所に筋電センサを取り付け、サーフボードの上に横たわった状態から立ち上がって波に乗っている状態の動作までの一連の動きを再現してもらい、その際の筋電を計測した。2つめは、センサ取り付け位置は同じであるが、実際にサーフィンを行っている360°映像(Youtube映像)を用意し、その映像をヘッドマウントディスプレイ:HMD(Lenovo Mirage Solo)に再生した状態で、先の実験と同様にサーフセットの上で波乗りを擬似的にしている動作を行ってもらった。 一回目の実験では、各被験者は自分の想定した動きをしているだけであるが、HMDを装着した場合、被験者全員が同じ波に乗った状態での筋肉の動きを計測することができる。 現在、サーフィン経験のある被験者8名、サーフィン経験の無い被験者4名に対して、計測実験を行い、現在データ解析を進めている。熟練者と初級者では、筋肉の動きに大きな違いがあることは確認出来ているため、これらの解析結果を31年度、学会発表を行う予定である。 また、31年度は、大きなプールに水をはり、海水と同レベルの塩水にして、サーフボードを実際に水に浮かべた状態で、30年度と同様の実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
サーフィン時の筋電計測の実験が大幅に遅れている。30年度は、大型プールを用意し、水上でのサーフィン時の筋肉の動き計測を行った。しかし、防水対策が不十分であったため、筋電センサが故障してしまったため、修理に時間がかかってしまい、実験開始が大幅に遅れた。そこで、室内での基礎実験を行い、水上での計測に関して、しっかり準備を整えることとしたため、半年程度の遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
室内でのサーフィン疑似体験による動き計測を行い、熟練者と初級者の違いを明らかにする。そして、VR視聴時での繰り返し動作の有効性を検証していく予定である。海上での実験は、天候に左右されるため、実験対象期間を十分に確保し、データ計測を行っていく必要がある。
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Causes of Carryover |
サーフィンのVR疑似体験を行うためのデバイスとして、スタンドアロン型が望ましい。このタイプのHMDは発展途上であり、この数年、各社競って新製品を出している。昨年の段階では、実験に耐えうるスペックの装置の購入が難しかったが、31年度発表予定のデバイスであれば有意義が実験が期待できる。そこで、関連機器の購入を繰り越したため、助成金の変更が生じた。また、被験者による実験が遅れているため、謝金並びに、その成果発表の機会が翌年にずれ込んでいる。以上の理由から助成金の大幅な変更が発生している。31年度は、実験機器の購入並びに、より多くの被験者実験(それに伴う謝礼、旅費)、それら成果の国際会議発表に伴う学会参加費及び海外旅費として使用する予定である。
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