2020 Fiscal Year Research-status Report
熟練者の視線を繰り返し体感できるVR型サーフィン・トレーニングシステムの実現
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18K10977
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀越 力 湘南工科大学, 工学部, 教授 (00739782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 佳恵 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (90584441)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋電センサ / 動作解析 / サーフィン / EMG信号 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度,サーフィンのパドリング時(サーフボードに寝転がり,手で水をかきながら移動する状態)から,ボードの上に立ち上がり,サーフボード上に安定して立っていられるまでの約15秒間の筋電を計測した. 計測箇所は,計12箇所(各足の大腿四頭筋,ハムストリングス,下腿三頭筋,長趾伸筋の4カ所を左右の足で計測(計測点計8カ所),また,腹筋左右2カ所,背筋左右2カ所)を用いて,熟練者,初心者の動作の違いについて,比較検証を進めている. 筋電データ(EMG信号)はノイズが多いため,データの絶対値をとった後に,平滑化処理(Average Rectified Value:ARV)を行い ノイズ除去を行った.この処理後の波形を解析することにより,熟練者,初心者共に立ち上がりのタイミングで,類似した波形の特徴があることがわかった.これにより,異なる人物のEMG信号を同期させて,立ち上がり動作時の筋肉の使い方を比較検証ができる可能性が見えてきた.現在,ボード上での立ち上がりまでの動作シーケンスをEMG信号の特徴量を用いて比較できるかどうかの検証を続けている.ただし,一連の動作が完了する時間幅は個人差があり,時間軸方向の整合性を取る手法については課題が残されている. また,各被験者毎に,各動作で使用している筋肉部位が,熟練者と初心者では大きく異なることがわかった.前傾姿勢になるか,後傾姿勢になるかだけではなく,立ち上がる時の時間幅,つまり,ジャンプするように一気に立ち上がるのか,ゆっくりと足場を確認しながら立ち上がるのか等,立ち上がる動作が大きく異なる事がわかった.これは個人差があり,更に多くの被験者での検証が必要である.コロナ禍で十分な被験者が得られていないため,具体的な検証実験は行うことができていないため,今後被験者を増やして検証を進めていく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
筋電センサによるEMG信号の波形解析を進めた結果、同じような動作であっても,熟練者と初心者での筋肉の使い方に,それぞれ特徴的な違いがあることが確認出来ている.しかしながら,コロナ禍の影響で,昨年度は被験者実験を全く行うことができなかった. そのため,十分な人数の被験者計測実験を行う事ができず.データ解析の検証を進めることができていない
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Strategy for Future Research Activity |
サーフィンの熟練者並びに初心者を対象とした被験者による筋電計測実験を実施する.そして,EMG信号の波形解析データに基づき,熟練者と初心者の動作の違いを定量的に評価していく. 評価結果をまとめ,学会発表を行っていく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で,被験者に筋電センサを取り付けたうえでの筋電計測を十分な回数実施出来なかった.そのため、データ数が足りず十分な検証が出来ていない。今後,サーフィン熟練者並びに初心者を対象とした追加の被験者データの計測を次年度追加で実施することとし,期間延長の申請を提出し,承認された, 筋電データはデータ量が膨大であり、各種生体データを合わせた解析も行うため、医療データの解析が得意な解析ソフトウェアを使用している。このソフトウェアは年間ライセンス契約となったため、来年度分の年間ラインセンスを購入する必要がある, 以上の理由から,ソフトウェアライセンス料並びに,被験者への謝礼,論文投稿の予算を次年度に持ち越すこととした.
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