2023 Fiscal Year Annual Research Report
Lesson Model Aimed at Learning about the Cultural Significance of Sports through Physical Education Theory: Folk Football as Instructional Material
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18K10980
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
吉田 文久 日本福祉大学, スポーツ科学部, 教授 (30191571)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体育理論 / 民俗フットボール / スポーツの文化的意義 / 授業モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究にこれまで取り組んできた研究成果を論文等にして発信すること、またコロナ禍の影響により、3年間実施できなかったカークウォールへの調査を実施した。 具体的には、まず研究成果の発信として、スポーツ人類学会に論文を1本を投稿し、査読審査を終え、学会誌に掲載(2025年3月発行)されることになり、本研究の研究協力者としてこれまで検討・協議に加わってもらった研究者に日本スポーツ人類学会第25回大会(2024年3月)で発表してもらい、加えて、構想した授業の実践者として協力してもらった現場教師に「体育科教育」誌(大修館書店)に本研究で取り組んだ実践報告を投稿してもらった(詳しくは「研究発表」参照)。他にも、地域の保健体育科教員への研修に本研究の授業実践者が講師となり、発表を行ったことなど、これまで取り組んできた研究成果を世に発信し、なかなか進展しない体育理論の実践の蓄積に向けた啓蒙的作業に時間を費やした。 また、教材とした民俗フットボールの文化的意義を生徒により理解しやすくするための資料の収集のためにカークウォールへ3年ぶりに訪問した。授業に有用な写真や記録を得ることができた他、それまで自粛していた祭典が漸く再開されたことへの住民の喜びも現地の人たちの生の声から知ることができた。今回の訪問には、本研究の成果の概要及び申請者が出版した書籍のサマリーを英訳したものを持参し、それをもとに交流するなかで、カークウォールの住民構成や環境の変化により、住民のゲームに対する意識も変化してきていることを知り、本研究で実施することができなかった住民の意識調査の必要性を再認識した。 以上のように、コロナ禍によって研究期間を延長するなど、当初の予定どおりとはいかないまでも、授業モデルの構想・作成、実践による効果の検証、授業モデルの発信までに至り、一定の成果を示すことができたと考えている。
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