2019 Fiscal Year Research-status Report
調整力の構造解明のための動的平衡性の検討と測定課題の作成
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18K10983
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Research Institution | Hijiyama University Junior College |
Principal Investigator |
高徳 希 比治山大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80554477)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 調整力 / 動的平衡性 / 移動系運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己の身体をうまくコントロールする能力である調整力の基盤要素としての動的平衡性(運動中の平衡維持能力)に着目し、移動系運動をベースとした動的平衡性課題を作成することを目的として、2019年度はより多くのデータを収集するため、小学生、中学生、高校生を対象とした予備調査を実施した。 1)両足連続跳躍を用いた予備調査 幼児を対象とした両足連続跳び越しについての検討を参考に、調整力トレーニングに用いられるラダー(梯子状のトレーニング用具)を用いた規定間隔(50cm)での両足連続跳躍(10回の跳躍での前方移動)を測定課題として設定した。対象は小学5年生、中学2年生、高校2年生とし、前年度までと同様に、全体動作時間の測定と全体動作の撮影を行った。また、既存の体力測定項目との関連についても検討するため、同じ跳動作である「反復横とび(敏捷性)」、「立ち幅跳び(脚力、上下肢の協応性)」、「立ち幅跳びの最大跳躍の50%を目標とした目安跳び(正確性)」の測定も併せて実施した。 2)時間的および空間的変動による動的平衡性の評価の検討 前年度より検討を続けている中学生男子を対象とした予備調査結果について、これまでの時間的変動(各跳躍の滞空時間・接地時間)と併せて大転子移動距離を指標とした空間的変動についての分析も行い、両足連続跳躍過程の後半にかけて接地時間が短縮し、上方移動距離も徐々に減少していたこと、前方移動距離は中盤で増加したが、その後は減少していたことが明らかとなった。これまでの分析結果もふまえ、両足連続跳躍における時間的および空間的変動による動的平衡性の評価についてさらに検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は調整力の基盤要素としての動的平衡性に着目し、移動系運動をベースとした動的平衡性課題を作成することであり、前方移動を含む既存項目を基にした予備調査より発達的変容の検討も可能な測定課題を作成、作成した測定課題を用いて本調査を実施していく計画で進めている。 2年目である2019年度は、前年度から継続して、幅広い年齢層を対象とした両足連続跳躍を用いた測定を実施する計画であったが、当初の想定よりも多くのデータを収集することができた。よって、2019年度は概ね計画通りに進めることができたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目である2020年度についても、両足連続跳躍を用いた測定による予備調査を継続するが、前年度に実施できなかった幼児対象の測定を実施する計画である。ただし、2020年度の現在の社会状況をふまえ、調査協力を依頼している連携機関の活動状況によっては計画の変更が必要となることが想定される。そのため、実施については慎重に検討していく。また、予備調査の実施と併せて前年度に収集したデータの分析を進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
前年度未使用額を含めた交付決定額に応じて購入する物品を再検討した結果、若干の残額が生じた。この残額については翌年度分と合わせて測定調査の実施に必要な消耗品や旅費に使用する予定である。
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