2019 Fiscal Year Research-status Report
新規マイオカインによる運動における糖代謝改善メカニズムの解明
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18K10988
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30557236)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動 / 骨格筋 / マイオカイン / 糖代謝 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の死因の上位を占める心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)の主要な原因は、運動不足による肥満を基盤とした耐糖能障害・脂質代謝異常・高血圧が一個 人に重積するメタボリックシンドロームと考えられる。これまでに、運動模倣シグナルを活性化することが、先制医療の実現を目指したメタボリックシンドロー ム・糖尿病の新規予防法・治療法になることを示してきた。これら一連の研究過程において、運動によるエネルギー代謝調節メカニズムとして、骨格筋から分泌 される新規マイオカインEXPM1(Exercise-induced protein derived from muscle 1)を同定することに成功した。本研究では、以下の3つの研究項目に沿って、 研究を実施した。(1)運動によるEXPM1発現調節メカニズムの解明:in vitroおよびin vivoの系において、CaMKKsのノックダウンによる影響を検討した。さらにin vitroおよびin vivoの系において、運動によるEXPM1の発現制御メカニズムを明らかにした(論文投稿中)。(2)骨格筋特異的EXPM1欠損マウスを用いた運動による糖代謝改善メカニズムの解明:昨年度に引き続き、加齢マウス等を用い、EXPM1の投与実験を行い、耐糖能障害、インスリン抵抗性が改善するかどうか検討した。(3)EXPM1による白色脂肪組織の褐色化促進メカニズムの解明:CRISPR/Cas9システムを用いてEXPMRs欠損マウスを作製し、EXPMRsが実際に生体内においてEXPM1の受容体として機能しているのかどうか検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時、予定していた研究項目(1)運動によるEXPM1発現調節メカニズムの解明、(2)骨格筋特異的EXPM1欠損マウスを用いた運動による糖代謝改善メカニズムの解明、(3)EXPM1による白色脂肪組織の褐色化促進メカニズムの解明、全ての研究項目について、それぞれ令和元年度に予定していた研究計画について、当初の計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度については、当初予定していた研究計画について、ほぼ達成した上、さらに一部の研究計画については、当初の計画以上に進展している。そのため、 本研究課題の推進において、研究計画等に大幅な変更の必要性は低く、当初の計画通り、研究を推進する予定である。さらに、本研究の進展・加速を目指すべ く、実験の精度の向上と効率化、スピードアップを図り、目的を早期に達成したいと考えている。
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Research Products
(18 results)