2023 Fiscal Year Annual Research Report
Efficacy of low FODMAP diet and evaluation of intraintestinal enviroment in pediatric IBS
Project/Area Number |
18K10989
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杉山 佳子 (中山佳子) 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (20600498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 沢子 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (80762814)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 小児 / 思春期 / FODMAP / Low FODMAP diet / ワイヤレス超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小児の過敏性腸症候群(IBS)において、食事中のFODMAP(オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール)を制限するLow FODMAP dietが、症状の改善に有効であるかを検証した。対象となるIBS患者は、Rome基準に基づき抽出し、食事と症状の変化を検討した。 Low FODMAP diet導入例において、下痢と腹痛の改善が確認される症例が一定数確認された。著効例の一部はhigh FODMAP dietのうち「小麦」の中止が有効と考えられ、当該症例では好酸球性胃腸炎、セリアック病、小麦不耐症との鑑別が重要と考えらた。今回の検討では、好酸球性胃腸炎と内視鏡検査で診断された症例は対象から除外されており、また血清学的検査ならびに十二指腸生検でセリアック病と診断された症例はなかった。腸内細菌叢と代謝産物について、現在解析を進めている。一方、日本の伝統的な発酵食品が症状の誘因と考えられる症例はなかった。 IBS患者は思春期例が多く、羞恥心などから便性状の把握が難しい。このため便性の客観的評価として、ベッドサイドのワイヤレス超音波による直腸便性状の評価を行なった。小児ならびに思春期例において、直腸の便性状が硬便、軟便であるかを超音波所見として評価することができ、その後の薬物療法の選択、治療効果判定として有用であった。 IBSは小児の反復性腹痛の原因として頻度が高い疾患であり、学校生活等の年齢相応の社会生活に支障をきたすことから、病態の解析と個別化された治療法の検討を進め、患者のQOLの改善に引き続き取り組む必要がある。さらに医療者と一般市民への啓発も重要と考える。
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