2018 Fiscal Year Research-status Report
クローン病のエネルギー代謝と体組成に影響を与える血清バイオマーカーの検索
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18K10990
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
馬場 重樹 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40422901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 英一郎 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (30362528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クローン病 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
クローン病患者の体組成はその後の患者の臨床経過に大きく影響を与えると考えられる。しかしながら、体組成の変化を説明できるバイオマーカーは明らかではない。本検討では高精度体組成分析装置を用い、体組成を測定するとともに、患者血清から体組成に影響を与える可能性があるバイオマーカーの検索を行うことを目的としている。 2017年の検討ではL3領域のCT画像を用いた検討において、入院患者を対象とし、筋肉量の減少はその後の腸管切除の予測因子となりうることを報告している。本年度ではCT画像を用いた検討を追加で行っている。その結果、筋肉量の減少だけでなく内臓脂肪/皮下脂肪比の増加が長期的なアウトカムである腸管切除の予測因子となることが明らかとなった。また、内臓脂肪/皮下脂肪比の増加は短期的なアウトカムである30日以上の長期入院の予後因子とはならなかった。以上より、筋肉量の減少は短期的・長期的なアウトカムの増悪に関与し、皮下脂肪と比した内臓脂肪の増加は長期的なアウトカムを増悪させることが明らかとなった。 また、今年度は先行して倫理審査が通過した体組成測定の結果について提示する。体組成のなかでもphase angleに着目し、血液生化学所見との相関を検討している。Phase angleは老化やがん悪液質など細胞膜の構造的損傷などで低下をきたす指標である。Phase angleは骨格筋指数や握力と相関するだけでなく、血液生化学所見ではアルブミンやトランスサイレチン、セレンと強い相関を認めた。また、疾患活動性や入院期間とも相関があり症例を蓄積、経過観察を行うことで今後、さらに検討を加える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査の承認は得られているが、通過に少し時間を要したため検体の採取を行っている状態。本年度には検体の収集を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
保存血清を蓄積し、エライザ法にてバイオマーカーのELISAを実施する予定。
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Causes of Carryover |
倫理審査の承認に時間を要したため、差額を生じた。翌年度分と合わせて血清保存を行い、順次バイオマーカーの測定をELISA方にて実施する予定。
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