2020 Fiscal Year Annual Research Report
Serum biomarkers affecting energy metabolism and body composition in Crohn's disease
Project/Area Number |
18K10990
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
馬場 重樹 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40422901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 英一郎 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (30362528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クローン病 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の我々の検討ではL3領域のCT画像を用いた検討において、入院患者を対象とし、筋肉量の減少はその後の腸管切除の予後因子となりうることを報告している(PloS One 2017 Jun 23;12(6):e0180036)。初年度と次年度はCT画像を用いた検討を行い、筋肉量の減少だけでなく内臓脂肪/皮下脂肪比の増加が長期的なアウトカムである腸管切除の予測因子となることが明らかとした。一方で、内臓脂肪/皮下脂肪比の増加は短期的なアウトカムである30日以上の長期入院の予後因子とはならなかった。以上より、筋肉量の減少は短期的・長期的なアウトカムの増悪に関与し、皮下脂肪と比した内臓脂肪の増加は長期的なアウトカムを増悪させることが明らかとなった。以上の結果を論文化した(Inflamm Bowel Dis. 2020 Nov 25)。 体組成測定の結果について提示する。体組成のなかでもphase angleに着目し、血液生化学所見との相関を検討した。Phase angleは老化やがん悪液質など細胞膜の構造的損傷などで低下をきたす指標である。Phase angleは骨格筋指数や握力と相関するだけでなく、血液生 化学所見ではアルブミンやトランスサイレチン、セレンと強い相関を認めた。また、疾患活動性や入院期間とも相関があり論文化を行っている。 コロナウイルスの感染拡大を受けて間接熱量測定に関しては十分な検討が行えなかったが、クローン病におけるナルディライジンの血清濃度の測定を行った。生物学的製剤導入前と導入後にナルディライジンの血清濃度を測定したところ、治療前と比較し治療後にはナルディライジンの血清濃度の低下を認めた。しかしながら、CRPなどの一般的な炎症マーカーとの相関は認めなかった。生物学的製剤導入後24週時点のナルディライジンは24週時点のTh0カウントと強い負の相関(rho = -0.719, p = 0.0054)を認めた。
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