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2020 Fiscal Year Research-status Report

ミトコンドリアストレス応答を介して寿命を延伸する化合物の同定と作用機序解明

Research Project

Project/Area Number 18K10998
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

中台 枝里子 (鹿毛枝里子)  大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40453790)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsミトコンドリアストレス応答 / 老化 / ドラッグリパーパシング / 線虫
Outline of Annual Research Achievements

近年、ミトコンドリアストレス応答活性化と長寿が密接に関わることが線虫やマウスを用いた研究から明らかとなってきた。ヒト抗老化の標的として「ミトコンドリアストレス応答」を制御する介入が有効である可能性が考えられるが、これまでに当該作用を期待でき、かつヒトが長期服用した場合の安全性が確認されている化合物は同定されていなかった。本研究では、ミトコンドリアストレス応答を介してヒト(少なくとも哺乳動物)の寿命を延伸する医薬品化合物を同定することを目的とした。
我々は、ミトコンドリアストレス応答を活性化して個体の寿命を伸ばす化合物を見つけるため、線虫C. elegansを用いたスクリーニングを実施した。その結果、高血圧治療薬であるメトラゾンがミトコンドリアストレス応答を活性化させることが明らかとなった。メトラゾンを投与した線虫の寿命を測定すると、投与しない線虫に比べて寿命が長くなった。また、メトラゾンによる寿命延伸効果は、ミトコンドリアストレス応答経路を介して発揮されることも確認した。また、メトラゾンの利尿剤としての標的タンパク質SLC12A3の線虫ホモログがその長寿作用に必要であることも明らかにした。
既存医薬品を本来とは別の疾患に適応しようとする「ドラッグリパーパシング」と呼ばれるアプローチには、当該化合物についてヒトでの薬物動態・安全性が既に確認されているというアドバンテージがある。今回得られた知見は、メトラゾンという薬の新たな薬効を示唆するとともに、ミトコンドリアストレス応答という抗老化のターゲット、抗老化薬という新たなコンセプトの提示につながる可能性があり、今後、非臨床試験においてメトラゾンの抗老化作用の検証を重ねたうえで、ヒトでの検証へ繋げていく必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

年度当初に研究中断期間が発生したため、予定していた計画の一部を実施することが困難であった。

Strategy for Future Research Activity

スクリーニングにより同定されたヒット化合物の一部について、線虫を用いた生存分析による評価が未実施であるため、今後は当該化合物の評価を中心に研究を進める。

Causes of Carryover

年度当初に新型コロナウイルス感染拡大防止措置により研究活動の制限があり、約3ヶ月間研究を中断した。そのため、スクリーニングにより得られたヒット化合物の一部について、予定していた実験を行うことができなかった。次年度において、当該化合物の寿命延伸効果の有無を評価する。助成金は、線虫の飼育や生存分析等に必要なプラスチック器具類・試薬類の購入のために使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Metolazone upregulates mitochondrial chaperones and extends lifespan in Caenorhabditis elegans.2021

    • Author(s)
      Ito A, Zhao Q, Tanaka Y, Yasui M, Katayama R, Sun S, Tanimoto Y, Nishikawa Y, Kage-Nakadai E.
    • Journal Title

      Biogerontology

      Volume: 22 Pages: 119-131

    • DOI

      10.1007/s10522-020-09907-6

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-12-27  

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