2021 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of butyrate-producing bacteria in the gut on fatty liver diseases.
Project/Area Number |
18K11002
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加川 建弘 東海大学, 医学部, 教授 (30245469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 酪酸菌 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は近年増加しているメタボリックシンドロームの肝臓での表現型であり、有効な治療法の確立が喫緊の課題となっている。動物実験において酪酸あるいは酪酸菌がNASHの進展防止、肝発癌の抑制に有効である可能性が報告されているが、その分子機序は明らかではない。申請者は高脂肪食で作製した脂肪肝マウスを用いた予備研究で、酪酸菌が脂肪肝を改善することを見いだした。 2021年度は試行錯誤の結果、6~7週齢のF344ラットにコリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA食)を4週間投与する条件で実験を行った。酪酸菌(Clostridium butyricum、MIYAIRI588)同時投与群、非投与群で食餌摂取量、体重、肝重量、肝中性脂肪、褐色脂肪組織重量、白色脂肪組織重量、腓腹筋量を測定し、酪酸菌の影響を解析した。また、盲腸内の内容物からDNAを抽出し、酪酸菌に特異的なプライマーを用いてqPCRを行い、酪酸菌数を定量的に測定した。その結果、経口投与された酪酸菌はラット腸管内において安定して増殖していることを確認した。酪酸菌非投与群では体重、肝脂肪量が増加し、明らかな脂肪肝が作成されていることを確認した。また、肝内中性脂肪の増加を認めた。酪酸菌投与群では体重、肝重量が高脂肪食飼育群に比し低下していた。また、肝内中性脂肪が酪酸菌投与群に比し、減少していた。現在、生化学的解析、組織学的解析を含め、各種解析を行っている。
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