健康寿命伸長のための人工知能を利用したバランストレーニング機器開発に関する研究

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K11005
• Research Institution: Kyoto Sangyo University
• Principal Investigator: 高梨 泰彦 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (60216679)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小室 輝明 京都産業大学, 現代社会学部, 助教 (50802146)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 動作解析 / バランス運動 / 人工知能

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は，①新バランストレーニングマシンによるバランス能力評価方法の検討　②リアルタイムによるバランスコントロール動作の取得と視覚的フィードバック方法の検討　③動画を利用した人工知能三次元動作評価システムの構築，である。
研究目的①について：昨年度に引き続き，新バランストレーニングマシンによるバランス能力測定の評価指標の作成に注力した。2018年度のプレ実験によってバランス評価方法とその提示方法を検討し，バランス能力測定手順とその結果のフィードバック方法を決定した。2019年度は，新バランストレーニングマシンの測定結果と，静的バランス能力のスタンダードである開眼片脚立ち動作のCOG動揺度の比較検討を進めた。また新バランストレーニングマシンの測定手順についても，再度その信頼性を高めるために，測定回数と測定値との関係を分析中である。
研究目的②については，2018年度に簡易モーションキャプチャシステムによるバランス動作のリアルタイムバランスコントロール動作の取得を実施したが，実際のコントロール動作のバイオメカニクス的分析のために，新バランストレーニングマシン上でのバランスコントロール中の下肢筋電図を取得し，分析を進めている。
研究目的③については，すでに2018年度に研究目的②で取得したバランス動作について，目がまわっている場合とまわっていない場合について，人工知能（AI）に学習させ，自動判別が可能になることを確認しており，日本体力医学会第73回学会大会で発表した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上記研究目的①については，新バランストレーニングマシンで測定した数値と従来から使用されている静的バランス能力との比較検討を実施中であり，さらに測定結果の信頼性を検討中である。また研究目的②では，新バランストレーニングマシン上でのバランスコントロール動作について，下肢筋電図を用いて検討を進めている状態である。研究目的③は，ほぼ研究目的を達成したと考えている。
上記①②の研究については，2～3月でのさらなる測定・実験を予定していたが，新型コロナウイルスの影響で被験者を実験室に呼ぶことができず，測定・実験が実施できない状態であり，被験者数が検討・分析に耐えうる人数には達しておらず不十分である。一方③については，当初の想定通りに研究が進み，2019年度の予定はほぼ終了した。

Strategy for Future Research Activity

新バランストレーニングマシンのバランス能力評価のエビデンス取得を研究課題の中心に据える予定である。新型バランスボード上でのバランス動作そのものを検証し，バランス動作中の各種エビデンスを取得していくことが，2020年度の課題となる。特に新バランストレーニングマシンによる評価指標と，従来から測定されているバランス指標との比較，健康寿命伸長のための転倒予防との関連，新バランストレーニングマシン上でのバランスコントロール中における下肢筋群の筋活動の評価，それに伴うトレーニング効果の可能性などのさらなる検討が中心課題となる。

Causes of Carryover

購入を予定していた物品は，①ノートパソコン，②三次元動作解析カメラ用三脚，であったが，以下の理由で減額および次年度に支出することに変更した。
①：昨年度と同様、従来からのノートパソコンをそのまま使用しても本年度の実験にあたって十分な性能が確保できることがわかり，次年度にハイスペックなパソコンを購入することに変更した。
②：2018年度の購入した6台のカメラ用三脚で十分に対応できた。一方で昨年購入したディープセンサを用いた簡易型モーションキャプチャシステムの評価のために、IMUを利用した新たなモーションキャプチャシステム（ソフト付き）を購入予定である。