2020 Fiscal Year Annual Research Report
Role of the small intestine in dyslipidemia associated with cholestasis
Project/Area Number |
18K11006
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
田中 裕滋 近畿大学, 大学病院, 講師 (00465650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上硲 俊法 近畿大学, 大学病院, 教授 (20233934)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | TICE / コレステロールトランスポーター / ABCG5/G8 / 総胆管結紮 / エゼチミブ / ペマフィブラート |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はマウスでANIT(α-Naphthylisothiocyanate)投与により胆汁鬱滞を誘発すると糞中コレステロールの増加を認めたことより胆汁鬱滞下では代償的に小腸コレステロール排泄機構(TICE)が活性化する可能性が示唆された。2019年度はラットで胆管ルートを遮断する総胆管結紮術(BDL)を施行したところ糞中コレステロールの増加傾向を認め、エゼチミブ投与により追加の増加を認めた。遺伝子発現では小腸Abcg5/g8の増加を認め、エゼチミブによるAbcg5/g8を介したTICE増強の可能性が示唆された。2020年度は高中性脂肪血症治療に用いられるペマフィブラートのTICEへの影響を明らかにするためにラットにコントロール食と0.001%ペマフィブラートを添加した食餌を2週間摂取させた後、Sham術とBDLを施行し72時間後に検体を採取し解析を行なった。ペマフィブラート投与により肝内コレステロール値はSham群とBDL群の両方で低下した。糞中コレステロール値はSham群とBDL群の両方で増加した。遺伝子発現はペマフィブラート投与により肝臓ではSham群でAbcg5とAbca1の増加を認め、BDL群ではAbca1の増加を認めた。空腸ではSham群でAbcg8の増加およびNPC1L1とSR-B1の低下を認め、BDL群でLDLレセプターの増加およびNPC1L1とSR-B1の低下を認めた。これらの結果よりペマフィブラートはAbcg8とLDLレセプターを介してTICEを増強し、NPC1L1とSR-B1を抑制することで小腸コレステロール吸収を阻害している可能性が示唆された。研究全体を通じて、TICEを担う中心分子として小腸のAbcg5/g8やLDLレセプターの関与が示唆された。また、エゼチミブだけでなく新規の高脂血症治療薬によるTICEを標的とした動脈硬化の予防が期待された。
|
Research Products
(3 results)