2020 Fiscal Year Research-status Report
Impariment of vascular function during prolonged sitting
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18K11012
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Research Institution | Mount Fuji Research Institute, Yamanashi Prefectural Government |
Principal Investigator |
堀内 雅弘 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (50310115)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 座位行動 / 動脈硬化 / 末梢血管機能 / 血圧 / 心拍数 / 脈波伝搬速度 / 血液貯留 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、長時間座位が下肢の動静脈血行動態に及ぼす影響、および座位中に運動介入を挟むことで、動静脈血行動態にどのような好影響をもたらすかを実験的に検証を開始した。具体的には、成人男女8名を対象に、1)3時間の座位を行う(介入なし条件)、および2)3時間の座位中、20分毎に1分間の自重スクワット運動を行う(運動条件)ことで、下肢の動静脈血行動態、および心臓中心循環に及ぼす影響を検討した。座位中は上下肢とも極力動かさないようにコントロールした。評価項目は近赤外線分光法による下肢の微小循環機能、四肢血圧法による上下肢の動脈硬化指標、および心拍数であった。下肢の微小循環機能は、近赤外線分光法で得られる指標のうち、組織酸素飽和度の反応性充血時の血管拡張反応で評価した。その結果、介入なし条件においては、座位後に上下肢の動脈硬化指標、および下肢の微小循環機能が悪化した。一方、運動条件においては、上肢の動脈硬化指標は悪化したものの、下肢の動脈硬化指標、および下肢の微小循環機能は悪化が抑制された。さらに、座位前後の心拍数は両条件とも同様の値を示したが、座位中、運動条件における心拍数は、介入なし条件より低値を示した。以上の結果から、3時間の座位中、定期的に自重運動を行うことで、長時間の座位後も運動肢の血管機能を維持できることが示唆された。また、座位中に運動介入をすることで、下肢から心臓への静脈還流が維持でき、その結果、心拍数の増加も抑制できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験デザインの設定上、対面、長時間、および密室条件を避けることができないため、コロナ渦の昨年度は、徹底した行動・体調管理の元、必要最小限の人数しか行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
十分な体調管理と室内環境を整えることで、ようやく実験が軌道にのり、一定数の実験を終了することができた。また、一部の評価項目においては、統計学的有意差も検出できた。しかしながら、学術論文として公表するにはまだサンプル数が足りない事、および検出された有意差が統計学的エラーによる可能性も否定できないため、最終年度の今年はサンプル数を増やしていく(20名目標)。
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Causes of Carryover |
必要最小限の人数しか実験を行うことができなかったため。
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