2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of osteoclast differentiation by exosome isolated from mechanical stress-stimulated osteocyte.
Project/Area Number |
18K11019
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 智広 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (30435854)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨細胞 / メカニカルストレス / エクソソーム / 破骨細胞 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
メカニカルストレス負荷した骨細胞から分泌されたエクソソームが未分化の破骨細胞にどのように認識され,取り込まれることで分化が惹起されるのかについて検討を進めた。メカニカルストレス負荷した骨細胞から分泌されたエクソソームとメカニカルストレス未負荷の骨細胞から分泌されたエクソソームのプロテオーム解析(LC-MS/MS ショットガン解析)をエクソソーム膜と内包物で行い,比較検討した。その結果,メカニカルストレス負荷した骨細胞から分泌されたエクソソームに特異的に存在するタンパク質を見出した。この結果は,ウエスタンブロットにおいてもメカニカルストレス負荷エクソソームにのみ存在するタンパク質を同様に検出した。このプロテオーム解析とウエスタンブロット解析において,破骨細胞分化に関係するタンパク質の一つとしてオステオポンチン(以下OPN)をメカニカルストレス負荷エクソソームにのみ検出した。OPNは,破骨細胞の膜表面にあるインテグリン(αvβ3など)に結合し,骨吸収に機能することが報告されている。OPNのインテグリンへの結合は,OPNがトロンビンにより中央部を切断された後にN末端側に存在する接着ドメインのRGD配列と深く関係していることから,このRGD配列を認識するモノクローナル抗体を用いてウエスタンブロット法により検出を試みたが,バンドの検出は出来なかった。このことから,メカニカルストレス負荷によりエクソソームにソーティングされるOPNはトロンビンによる修飾を受けていない形であることが分かった。現在,OPNの他にメカニカルストレス負荷によりエクソソームにソーティングされる破骨細胞分化に関係するタンパク質についてさらに検討を進めている。 また,共焦点顕微鏡観察より,蛍光標識をしたメカニカルストレス負荷エクソソームは一部の破骨細胞のみに取り込まれることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メカニカルストレス負荷の骨細胞から分泌されるエクソソームとストレスを与えていない骨細胞から分泌されるエクソソームの違いをエクソソーム膜表面および内包タンパク質のプロフィールから掴めることが出来,この違いが受容細胞側の分化に関与していることが推測出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
共焦点顕微鏡のエクソソームの取り込み観察から,メカニカルストレス負荷により放出されたエクソソームを取り込んだ細胞は前駆破骨細胞全てではなく,一部の前駆は骨細胞だけであった。これはエクソソームを受容する前駆破骨細胞側にのみエクソソームを認識する分子が発現しているか,エクソソームを取り込まなかった前駆破骨細胞よりも高発現しているかと推察できる。このことから,今後は,エクソソームを取り込んだ細胞(この違いを認識できる受容側の細胞)をピックアップし,一細胞解析により受容分子の特定やエクソソームを取り込んだ細胞が実際に破骨細胞分化を誘導するか検討していく。
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Research Products
(6 results)