2018 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病薬による大腸癌の抗腫瘍作用:新規化学予防薬としての降圧薬ARBの関与
Project/Area Number |
18K11023
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小原 英幹 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (10612476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 久和 香川大学, 総合生命科学研究センター, 准教授 (20398035)
森 宏仁 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20568844)
正木 勉 香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
千代 大翔 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50769346)
藤田 浩二 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50749421)
大森 典子 (西山典子) 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50613410)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、がん撲滅への究極の対策として「いかにその発生を減らし無くすか」という予防医学が注目されるなか、生活習慣病治療薬としての低用量アスピリンやメトホルミンが大腸癌の化学予防薬として期待されている。生活習慣病の一大疾患である高血圧症においてアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の一つである降圧剤テルミサルタンは、食道腺癌に対する抗腫瘍効果が我々の実験系で実証され、化学予防薬としての可能性を秘めている。本研究の目的は、社会背景を考慮したこれらの高頻度疾患において降圧剤が大腸癌発生予防の相乗効果を生み出すという基礎的研究から臨床への応用が期待される研究である。本研究の目的は、生活習慣病の高血圧に対する降圧剤テルミサルタンの大腸癌に対する抗腫瘍効果に関して、そのメカニズムに関連する分子(アポトーシス関連分子、血管新生分子、チロシンキナーゼ分子、microRNA)を網羅的に解析し、その抗腫瘍作用の機構を明らかにし、化学予防薬としての可能性を探求することにある。現在,大腸癌におけるテルミサルタンのmicroRNA 解析から導かれる抗腫瘍作用および機序解明に関する報告はなく斬新である。これまでに大腸癌細胞株におけるテルミサルタンの腫瘍増殖抑制効果:大腸癌細胞株(CACO-2、COLO320)に対し各濃度のテルミサルタンを投与後、24,48,72時間後にcell counting kitを用いて、MTT assayを行い、再検証も終えている。各濃度のテルミサルタン投与後、フローサイトメトリーを用いて時間経過24,48時間後の細胞の細胞周期パターンを検討する。投与後、24,48時間後の細胞を集め、各細胞周期に機能する細胞周期関連分子の発現量をWestern blotにより解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに大腸癌細胞株におけるテルミサルタンの腫瘍増殖抑制効果:大腸癌細胞株(CACO-2、COLO320)に対し各濃度のテルミサルタンを投与後、24,48,72時間後にcell counting kitを用いて、MTT assayを行い、再検証も終えている。各濃度のテルミサルタン投与後、フローサイトメトリーを用いて時間経過24,48時間後の細胞の細胞周期パターンを検討する。投与後、24,48時間後の細胞を集め、各細胞周期に機能する細胞周期関連分子の発現量をWestern blotにより解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書どおり以下の研究計画を進めている。移植大腸癌におけるテルミサルタンの腫瘍増殖抑制効果:ヌードマウスの皮下に移植した大腸癌組織に対するテルミサルタン投与による癌細胞増殖抑制の解析を行う。その抗腫瘍作用の主要な経路とメカニズムを推測するため、細胞周期関連分子、血管新生分子、チロシンキナーゼ分子の影響をアレイ解析する。テルミサルタンの癌細胞増殖抑制過程に関連するmicroRNAの同定を行う。その後解析ソフトウエアを用いて得られたイメージ画像から、各スポットにおける蛍光強度値の定量化を行い,シグナル値を算出し、テルミサルタンの癌細胞抑制に関連する特異的なmicroRNAを同定する。そして投与、非投与でそれぞれ独立したクラスターを形成するかどうかを確認する。テルミサルタン投与により癌細胞株に特異的に増強、減弱するmicroRNAの機能解析:テルミサルタンにおいて特異的に発現増強、減弱するmicroRNAの機能解析をする上で、リポソーム法によりmicroRNA活性を上げる合成microRNA前駆体分子或いは、合成microRNA阻害分子を癌細胞内に導入する。導入後、どの蛋白質に影響を与えたかを蛋白アレイチップを用いて網羅的に解析する。これらの解析を通じてテルミサルタンによる癌細胞抑制効果に関与するmicroRNAのターゲット遺伝子の予測と実験的確証実験を行う。
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Causes of Carryover |
研究に関わる機器等の購入が遅れており、次年度使用額が生じております。
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