2019 Fiscal Year Research-status Report
健康寿命延伸に向けたデセン酸のメタボリックシンドローム予防機構の解明
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18K11031
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
寺尾 晶 東海大学, 札幌教養教育センター, 教授 (10451402)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ローヤルゼリー / 食餌性肥満 / ノンレム睡眠 / 睡眠の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ローヤルゼリーは、食餌性肥満マウスにおいて体重及び体脂肪を減少させ、血糖値上昇を抑えるなどメタボリックシンドロームを改善させる効果があることを我々は報告している。また、食餌性肥満マウスでは、睡眠の質が低下していることを我々は報告している。今年度は、食餌性肥満マウスにおいて観察された睡眠の質低下が、ローヤルゼリーにより改善されるかどうかを調べた。3週齢のC57BL/6J雄マウスを以下の4条件(1.通常食、2.ローヤルゼリー5%含有通常食、3.高脂肪食、 4.ローヤルゼリー5%含有高脂肪食)にて19週間飼育し、22週齢の時点で睡眠測定を行った。 高脂肪食群は通常食群に対し、睡眠・覚醒の相転移を繰り返す断片化および浅眠の指標となる20秒以下の短時間覚醒回数の増加が認められ、睡眠の質が低下していた。ローヤルゼリー5%含有高脂肪食群では、肥満群で増加が観察された、睡眠・覚醒の断片化および短時間覚醒回数のいずれもが、通常食群とほぼ同じレベルまで回復していた。ローヤルゼリー5%含有通常食群の睡眠状態は通常食のそれと同様で有り、睡眠・覚醒の断片化および短時間覚醒回数には差が認められなかった。更に脳波の周波数解析を行ったところ、ローヤルゼリー5%含有通常食群と通常食群では脳波の成分分布はほぼ同様で有り、ローヤルゼリーには肥満させていないマウスの睡眠の質を通常状態よりも向上させる効果はないと考えられた。以上の結果から、ローヤルゼリーは食餌性肥満マウスにおいて低下した睡眠の質を改善させる作用があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ローヤルゼリーは食餌性肥満マウスにおいて低下した睡眠の質を改善させる作用があることが明らかとなった。ローヤルゼリーの有効成分と考えられているデセン酸は、ローヤルゼリーにのみ含まれる特有の成分で有り、その含有量によってローヤルゼリーの品質が決定される。今後はデセン酸に睡眠の質を改善させる作用があるかどうかを調べていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ローヤルゼリーの有効成分としては、デセン酸の他にも様々な生理活性ペプチドの存在が知られている。そこで、生理活性ペプチドの関与を検討するために、酵素分解処理を施したローヤルゼリーを食餌性肥満マウスに与えることにより、抗肥満と睡眠の質改善に与える効果を調べる実験に着手する。
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Causes of Carryover |
2019年度に老化促進マウスを用いた実験を計画していたが、実際は少数の動物を用いた条件検討実験にとどめた。 今年度は60匹のマウスを用いた本実験を予定しており、50万円程度をその購入費用に充てる予定である。
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[Journal Article] REM sleep active MCH neurons are involved in forgetting hippocampus dependent memories.2019
Author(s)
Izawa S., Chowdhury S., Miyazaki, T., Mukai Y., Ono, D., Inoue R., Ohmura Y., Mizoguchi H., Kimura K., Yoshioka M., Terao A., Kilduff T. S., and Yamanaka, A.
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Journal Title
Science
Volume: 365
Pages: 1308-1313
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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