糖尿病による末梢神経の酸化ストレスおよび栄養血管退行に対する運動療法の効果検証

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K11035
• Research Institution: Naragakuen University
• Principal Investigator: 野中 紘士 奈良学園大学, 保健医療学部, 専任講師 (00565327)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 秋山 純一 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00309600) [Withdrawn] ; 崎田 正博 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (10582190)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 糖尿病 / 運動 / 末梢神経障害

Outline of Annual Research Achievements

糖尿病の合併症である末梢神経障害は、感覚障害や痛み、神経性創傷を引き起こすとともに、生活の質を低下させるため、その予防は重要な課題である。糖尿病患者は糖尿病の病態が進行しないように運動療法が推奨される。本研究では糖尿病ラットに対する運動療法の末梢神経障害予防効果について検討している。糖尿病の末梢神経障害の原因には酸化ストレスの増加や神経の栄養血管の退行があると考えている。令和3年度は令和2年度に引き続き、糖尿病の末梢神経の栄養血管退行に対する運動療法の効果について検討した。令和2年度にラットを正常群、糖尿病群、糖尿病＋運動負荷群の3群に分け、6週間の運動負荷実施後に、血液採取および末梢神経である坐骨神経の摘出を行った。令和3年度は採取した試料の解析を進めた。血中の血管内皮成長因子をELISA法にて測定した。坐骨神経の毛細血管について、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、すべての坐骨神経の画像を撮影し、取得した。血中の血管内皮成長因子はほとんどの試料でELISA kitの検出限界よりも低く、すべての群のラットにおいて血中にはわずかな血管内皮成長因子しか存在していないと考えられた。共焦点レーザー顕微鏡を用いて取得した坐骨神経の毛細血管については正常群に比べ、糖尿病の2群のラットの毛細血管分岐の減少が認められた。毛細血管径については分析を継続しているところである。また、坐骨神経よりタンパクを抽出して毛細血管新生に関与する酸素誘導因子や血管内皮成長因子についての解析を進めている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症拡大にともなう業務量増加により研究時間の確保が困難であったことが理由である。

Strategy for Future Research Activity

採取した試料の解析を進め、論文作成を行う。

Causes of Carryover

コロナウイルス感染拡大にともない業務量が増加し、研究時間の確保が十分にできなかったため次年度使用額が生じた。
前年度までに得られた試料の解析を進め、論文作成を行う予定である。