2019 Fiscal Year Research-status Report
Preventon of carcinogenesis and recurrence of breast cancer by phytochemicals based on subtype specific anticancer activity
Project/Area Number |
18K11037
|
Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
中野 修治 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (40164248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹嶋 美夏子 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (00241183)
日野 真一郎 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (00372699)
小野 美咲 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (10441726)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 乳癌 / フィトケミカル / 抗癌作用 / 一次予防 / 細胞周期 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.スルフォラファン(SFN)はトリプルネガティブ(TN)乳癌由来の細胞に強い増殖抑制効果を示し、細胞周期をG1期に停止させ、分子レベルではAKT-mTORのシグナルを抑制し、Baxの発現を高めてアポトーシスを誘導した。またSFNの経口投与は、TN乳癌細胞を移植した担癌ヌードマウスでの腫瘍増殖を著明に抑制した。このことはSFNは乳癌の中でも予後不良で治療の選択が化学療法に限定されているTN乳癌の発症および治療にも応用できる可能性が示唆された(論文投稿中)。 2.シアニジン、デルフィニジン (DEL)、マルビジン、ペチュニジンの4種のアントシアニンの抗腫瘍効果について評価した。DELのIC50は25μMであったが、他の3種は最大濃度180μMであってもIC50に到達しなかった。また、DELはサブタイプにかかわらず乳癌細胞に対して、同程度の増殖抑制効果があることが判明した。現在、DELについて細胞周期解析、分子標的解析を行っている。 3.プロシアニジン6種(A1, A2, B1, B2, B3, C1)およびその構成分子である(±)カテキンおよび(±)エピカテキンの計10種について、サブタイプの異なる乳癌細胞5種、即ちホルモン受容体 (ERおよびPR)とHER2(ER/PR/HER2)状態のことなる、MCF-7 (+/-/-), T47D (+/-/-), SK-BR-3 (-/-/+), MDA-MB-468 (-/-/-), MDA-MB-231 (-/-/-)を用いて抗腫瘍効果をスクリーニングした。すべてのプロシアニジンおよびカテキンは、MCF-7およびMDA-MB-231細胞株の細胞増殖をわずかに阻害したが、それらのIC50は100uMの用量でも到達せず、 MCF-7およびMDA-MB-231細胞株以外の細胞株にはどの成分もまったく増殖を抑制しなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.スルフォラファンの結果はすでに論文を作成し投稿中である。 2.デルフィニジンの抗腫瘍効果の解明を細胞周期解析、ウエスタンブロッティングを用いた分子標的解析で行っており、機序が解明しつつある。 3.プロシアニジンおよびその構成成分であるカテキン類については予想に反して、すべての成分がいずれのタイプの乳癌細胞に対しても抗腫瘍効果が認めなかった。スクリーニングとして増殖抑制効果を評価しているため、評価の方法を変え現在再評価している。
|
Strategy for Future Research Activity |
デルフィニジンの抗腫瘍効果および機序について論文を作成し、投稿する。プロシアニジンについては、抗腫瘍効果の再評価後によっても抗腫瘍効果がない場合は、その結果を論文として投稿し、再評価により抗腫瘍効果が確認されれば、分子機序を明らかにする。予定していた乳癌幹細胞に対するフィトケミカルの増殖抑制機序については着手できていない。リコペンによる乳癌予防実験ではリコペンの血中濃度を上げるため油脂の添加を行い再実験している。大豆イソフラボンの中で、src活性化細胞に抗腫瘍効果を示したのはゲニステインのみであったため、現在、Src導入細胞を移植した担癌ヌードマウスでのゲニステイン経口投与の抗腫瘍効果も検証する予定である。、
|
Causes of Carryover |
2019年度に予定してた試薬等消耗品の納品予定が遅延したため年度内の購入が出来ず当該助成金が生じた。2020年度に購入予定である。
|
Research Products
(7 results)