2022 Fiscal Year Annual Research Report
metagenome analysis of intestinal microbiota in patients with severe motor and intellectual disabilities and the effect of intervention with bifidobacterium
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18K11040
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
田沼 直之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 研究員 (00281676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 啓 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, プロジェクトリーダー (50425683)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重症心身障害 / 腸内細菌叢解析 / ビフィズス菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、重症心身障害児者(以下、重症児者)の慢性便秘症に対するビフィズス菌製剤、オリゴ糖の介入効果を検証した。 経管栄養での栄養剤注入のみで栄養を摂取している39例の重症児者を対象とし、ビフィズス菌投与群(B群)、ラクチュロース投与群(L群)、ビフィズス菌+ラクチュロース投与群(シンバイオティクス群、S群)の3群に分け、それぞれを8週間投与した。投与前、投与中、投与終了後での排便と排便処置の回数・日数、便性状、腸内細菌叢を比較した。腸内細菌叢の解析は便から抽出したDNAを用いて次世代シークエンサーで網羅的に解析した。 その結果、投与開始前と比較し、投与期間中の排便回数・日数はS群で有意に増加した。便性状はL群とS群で泥状便の割合が減少し、水様便の割合が増加した。腸内細菌叢はL群とS群で門レベルでActinobacteria、属レベルでBifidobacteriumの割合が増加したが、一方で、菌の多様性は減少した。これらの変化は、投与後には投与前の状態に戻った。 以上の結果から、ビフィズス菌などのプロバイオティクスは、重症児者の慢性便秘症に対して腹部症状を悪化させることなく排便回数を有意に増加させることが分かった。プレバイオティクスとしてのラクチュロースは単独投与では有意な排便の変化は認められなかったものの、プロバイオティクスと組み合わせるシンバイオティクスにより、効果を増強させることができた。腸内細菌叢への影響としては、ラクチュロース投与はBifidobacterium属の割合を増加させることが知られているが、今回の結果でも確認できた。
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