2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18K11044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武井 大祐 京都大学, 薬学研究科, 特定研究員 (60775766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 敦彦 京都大学, 薬学研究科, 特定助教 (10609209)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カルシウムシグナル / 軟骨組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎児期の骨の発育において、骨の成長板のユニークな細胞群の配置が、重要な役割を持つと考えられるが、基礎的な知見は十分に得られていない。本研究では、マウス胎児の大腿骨をイメージングすることによって、細胞群の配置の意義を明らかにすることを目指した。細胞内シグナル伝達の中枢を担う細胞内カルシウム動態を中核におき、カルシウム動態を構成する細胞膜カルシウムチャネルの発現量、さらには、カルシウムシグナルによって制御される細胞の機能変化に着目した。本研究により、以下の成果が得られた。 軟骨組織の急性スライスを用いた独自のカルシウムイメージング技術により、ラウンド軟骨細胞、カラムナー軟骨細胞において、非周期的で25~45 nMの振幅を有し、40~80秒程度持続するカルシウム濃度の変化(Calcium fluctuation, カルシウム変動)を確認した。肥大軟骨細胞においては、カルシウム変動陽性細胞数は少なく、軟骨膜細胞では、カルシウム変動を確認できなかった。 細胞外からのカルシウム流入が、ラウンド軟骨細胞のカルシウム変動の形成に寄与することが明らかとなったため、カルシウム変動を形成する細胞表層カルシウムチャネルの同定を試みた。イメージングを用いた薬理学的なスクリーニングと遺伝子発現解析を統合した結果、カルシウム変動を形成する細胞表層カルシウムチャネルが、TRPM7チャネルである可能性が示唆された。 タモキシフェン誘導型のTrpm7コンディショナルノックアウトマウスを用い、Trpm7遺伝子が発現抑制された急性スライスを作製した。Trpm7ノックダウン軟骨細胞において、カルシウム変動陽性細胞の割合が低下し、カルシウム変動の振幅も減少した。このことから、カルシウム変動の形成に寄与する細胞表層カルシウムチャネルがTRPM7チャネルであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)