2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study of new preventive strategies for type 2 diabetes based on genetic predisposition, lifestyle, social and environmental factors
Project/Area Number |
18K11046
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
武田 美輪子 島根大学, 地域包括ケア教育研究センター, 特例研究員 (70750644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 強 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (80410257)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 糖尿病 / ソーシャル・キャピタル / 遺伝素因 / 環境要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究においては,研究開始時に設定した研究仮説に基づき,遺伝素因としてヒトニューロペプチドY(NPY),社会・環境要因として地域内の人間関係(ソーシャル・キャピタル)と2型糖尿病との関連についてデータ解析を実施した。2型糖尿病は,HbA1c値が6.5%以上か空腹時血糖値126 mg/dl以上,またはインスリン注射か血糖を下げる薬の服薬有りと定義した。ヒトニューロペプチドY(NPY)では遺伝子多型 rs5573,rs16147,ソーシャル・キャピタルとして地域住民間の信頼感を用いた。その他の調整変数として性別,年齢,Body Mass Index,高血圧症の服薬の有無,脂質異常症の服薬の有無,飲酒習慣,運動習慣,睡眠状況,教育年数,暮らし向きを用いた。分析に用いる変数に欠損値を有しない1475名を対象として,ソーシャル・キャピタルと2型糖尿との関連について解析を行った結果,遺伝素因 NPY(rs5573,rs16147)がいずれの場合においても有意な関連は認められなかった。さらに男女別で層化して解析を行ったが,同様に両者間に有意な関係性を認めなかった。 研究開始時に想定した仮説としては,社会・環境要因としてのソーシャル・キャピタルと2型糖尿病との関連性を考えていたが,それをフォローする統計学的な知見は得られなかった。一方で,社会・環境要因として教育年数や暮らし向きにおいて有意な関連性が認められた。しかし,これらの要因については,即時的な介入や施策での対応は難しく,個人の背景を十分考慮する必要がある。 今後は,分析対象者数を増やした後に,あらためて同様の検討を行い,生活習慣や遺伝素因のみならず多様な社会・環境要因を考慮し,長期的な視点に立った対策の検討が望まれる。
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