2019 Fiscal Year Research-status Report
慢性不眠に起因する代謝異常発症の責任分子カスケードの同定と創薬基盤の構築
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18K11047
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近久 幸子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (00452649)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不眠 / マスト細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、①慢性不眠モデルマウスの作成、②慢性不眠モデルマウスにおける糖代謝測定、③慢性不眠モデルマウスにおける行動実験、④脳内分子機構変化の確認、④Mas-TRECK (Mast cell specifictoxinreceptor mediated conditional cell knock out) マウスにおけるマスト細胞消失確認、⑤ Mas-TRECKマウスにおける糖代謝測定を行った。 その結果、慢性不眠モデルマウスにおける耐糖能異常、摂食量増加、学習能の低下、血中コルチコステロンの増加や副腎肥大が認められた。また、慢性不眠モデルマウスでは、脳内と末梢において、代謝および免疫制御に関わる分子シグナリングが変化していた。 一方、Mas-TRECKマウスでは、ジフテリア毒素 (Diphtheria toxin; DT)を腹腔内投与することで全身のマスト細胞が消失でき、DTの脳室内投与では脳内のマスト細胞が減少することを確認した。全身のマスト細胞が消失したMas-TRECKマウスでは、不眠モデルにおける耐糖能異常の度合いが減弱していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、野生型マウスを用いた実験系は、睡眠記録、行動解析、脳内分子機構解析など、ほぼ順調に実験が進んでいる。Mas-TRECKマウスについても、昨年まで一時中断していた交配・繁殖が再開され、計画どおり実験が始められているため、現在までの進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
Mas-TRECKマウスを用いた慢性不眠モデルについて、脳内分子機構の変化を調べるために、免疫染色やELISA、フローサイトメトリーなどでより詳細に解析を進める予定である。。これらのマウスの行動変化についても、マスト細胞の欠損期間と併せて網羅的に調べる予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定していた試薬について、当該年度は在庫のものから使用しているため、次年度に追加購入する予定である。また、参加予定だった学会が中止および紙面発表となったため、旅費が未使用となった。未使用となった旅費については、次年度に開かれる国際学会への参加および購入試薬に充当させる予定である。
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Research Products
(9 results)