2018 Fiscal Year Research-status Report
乳酸発酵処理が引き起こす豆乳中の成分変化が脂質代謝改善作用に及ぼす影響
Project/Area Number |
18K11061
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 麻貴 神戸学院大学, 栄養学部, 助教 (70550789)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | オルニチン / 乳酸発酵 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、メタボローム解析によりLactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii TUA4408L株で発酵した乳酸発酵豆乳が高い脂質代謝改善作用を示すのは、乳酸発酵によりイソフラボンアグリコン量の増加するだけではなく、ざまざまなポリフェノールのアグリコン量の増加やオルニチン量の増加が関与している可能性があることを論文にまとめた。 また、TUA4408L株で発酵した乳酸発酵豆乳はメタボローム解析において、豆乳と比べてオルニチン量が430倍に増加したため、HPLC(アミノ酸分析計)を用いてアミノ酸量の定量を行った。オルニチンはアルギニンから合成されるが、TUA4408L株が特異的に豆乳中のアルギニンをオルニチンに変換する能力が高いのかどうかを確認をするため、TUA4408L株と同じ乳酸菌種で菌株の異なるイソフラボンのアグリコン化能力の低いLactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii TUA4404L株乳酸菌で発酵した乳酸発酵豆乳、TUA4408株で発酵した乳酸発酵豆乳、原料豆乳のアルギニン量、オルニチン量を定量した。TUA4408株で発酵した乳酸発酵豆乳はオルニチン量が原料豆乳の445倍となり、アルギニン量は原料豆乳の640分の1となった。また、TUA4404株で発酵した乳酸発酵豆乳のオルニチン量も原料豆乳の43.6倍であったが、オルニチンの生成能力はTUA4408LがTUA4404Lの約10倍高いことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii TUA4408L株を用いた豆乳の乳酸発酵により、豆乳中の成分がどのように変化するかを論文にまとめた。また、平成31年に実施予定であった豆乳、乳酸発酵豆乳中のオルニチン量について検討を行った。平成30年度に実施予定であったイソフラボンの酸化安定性の実験に関しては、HPLCのメンテナンスに予定以上の時間を要したため、平成31年度に検討予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)は、イソフラボンアグリコンの酸化安定性に関与する乳酸発酵豆乳中成分について検討を行う。また、オルニチンがヒト肝がん由来HepG2細胞の脂質代謝関連遺伝子発現に及ぼす影響について平成32年度(令和2年度)から本格検討を行うため機器の整備などの準備を開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度と次年度で研究の遂行順を変更したため、差額が生じた。差額は次年度の研究遂行に使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)