2020 Fiscal Year Research-status Report
Randomized controlled trial to assess effectiveness of school-based parent-participation lifestyle
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18K11064
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
渡邉 純子 南九州大学, 健康栄養学部, 教授 (70589978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 和枝 帝京大学, 公私立大学の部局等, 客員教授 (50091038)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自覚的心身の健康問題(SPS) / 青少年 / 保護者協力型ライフスタイル教育プログラム / クラスター無作為化比較試験 / ライフスタイル教育法の確立 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,前年度に実施した中学生の心身の健康問題低減のための中学校・保護者協力型ライフスタイル教育プログラム(SPRAT)有効性検証のためのcRCTによる介入試験の結果について集計・解析し,国内外の関連学会における発表および論文作成を行った. SPRATによる介入試験は,研究プロトコル(BMJ Open, 2018)に基づき作成したSPRAT実施マニュアルにそって, 2019年5月~2020年3月の実施期間中に,宮崎県及び熊本県内中学校1・2年生のうち,書面にて同意を得たSPRAT群11校1004人(男子522人,女子482人),対照群12校1153人(男子491人,女子662人),合計23校2157人(男子1013人,女子1144人)の生徒及び保護者を対象として,計画通り実施された. 最終解析数はSPRAT群951人(男子486人,女子465人),対照群1035人(男子424人,女子611人)となった.ベースライン調整後の主要評価項目では,両群間で有意差が認められなかったが,副次的評価項目の学校生活が楽しい・朝食に主食摂取・昼食に主菜摂取においてSPRAT群に良好な結果が得られた.保護者協力によるプログラムへの影響をさらに検証する必要があるが,本研究結果は,SPS低減のための効果的かつ実用的なライフスタイル教育プログラムの開発と,青少年におけるその潜在的な影響への改善・予防に貢献する可能性が示された. 当該期間中,令和2年1月からの新型コロナウイルスによる感染拡大の影響を受けて,中学校からの調査票回収や確認作業に時間を要したこと,大学での業務も休学やオンライン授業の準備に追われたことなどにより,その後の研究活動にやや遅れが生じ, 対応策として,補助事業期間延長申請を行い,引き続き成果報告に向け取り組んでいるところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までに,SPRAT研究プロトコルに基づき,SPRAT実施マニュアルに沿って,中学生の心身の健康問題低減のための中学校・保護者協力型ライフスタイル教育プログラム(SPRAT)の有効性を検証するため,cRCTによる介入試験を計画通り遂行した.また,ベースライン調査結果をまとめ,関連学会において報告してきた.令和2年度はSPRATによる介入試験の有効性評価に向けて,介入6ヶ月後における中学生の食事・生活習慣・健康質問票,習慣的食事摂取頻度調査(FFQW82)および介入期間中実施した計4回の中学生の健康質問票並びに保護者用質問票のデータ集計および解析を進めた. その主要な研究成果については論文にまとめ,現在,海外誌に投稿中である. 食事摂取状況や保護者の行動変容とプログラムへの影響については,さらに解析を進め,論文化する予定である.そのほか,SPRAT専用テキスト「Smart Life」に記載された本人および保護者の感想のとりまとめ並びにSPRAT終了証の発行・送付などの作業も行った. 当該期間中,令和2年1月からの新型コロナウイルスによる感染拡大の影響を受けて,中学校からの調査票回収や確認作業に時間を要し,加えて大学での業務も休学やオンライン授業の準備に追われたことなどにより,予定された研究活動にやや遅れが生じたため, 対応策として,補助事業期間延長申請を行い,引き続き成果報告に向け取り組んでいるところである.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度から行ってきたSPRATの有効性評価について,令和3年度も引き続き,さらに分析を進め,SPRATの評価のための解析および論文作成を実施していく予定である. 本研究において,SPRAT研究プロトコルに基づき, cRCTによる中学生の心身の健康問題低減のための大規模な保護者協力型ライフスタイル教育プログラム(SPRAT)を計画通り実施できたことは,国内外を通してみても新規性や独自性があり,青少年の将来に向けた一次予防教育としても意義がある.SPRATの研究成果を明らかにすることにより,科学的エビデンスに裏付けられた青少年とその保護者のためのライフスタイル教育法の確立に寄与する.これらの成果は,新型コロナウイルス対策のための「新しい生活様式」において,青少年及びその保護者が主体的に食事・生活習慣をマネジメントするための教育としてもその活用が期待される.研究成果が検証された段階で,SPRAT対象中学校はもちろん,各県教育委員会及び私立中学高等学校協議会並びに市町村教育委員会にもその成果を報告する予定である.さらにSPRATの成果はWEBによる一般公開を図ることとしている.
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Causes of Carryover |
前年度まで物品費や人件費の支出が少なく,その他の経費が多くなった理由は,対象者の人数が予定を上回ったため,教材準備の経費(印刷委託)が必要になったことと,23校との資料や調査票未記入チェック等のやり取りのための送料が予定より必要になったためである. 令和2年度も同様な状況であったが,特に新型コロナウイルス感染拡大により,報告のための会議や打ち合わせの開催が難しかったこと,データ集計作業の遅れ等により、交通費や謝金等の支出が少なかった. 令和3年度は,論文投稿費用,国内外で開催される学会参加費用に加え, 資料取りまとめのための人件費および各中学校や関係先に報告する研究成果報告書の印刷費や送料等の支出が見込まれる.また,新型コロナウイルス感染状況にもよるが,令和2年度同様,国内学会発表や班会議等はオンラインになる可能性が大きく交通費は少なくなる見通しである.
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Research Products
(2 results)