2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病における炎症と異所性脂肪蓄積に関与する好中球とマイクロパーティクルの作用
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18K11078
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
服部 秀美 宮崎大学, 農学部, 准教授 (80508549)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 肥満 / 脂肪組織 / 脂肪細胞 / 炎症 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病発症の多くは、肥満が原因といわれている。肥大化した内臓脂肪組織に、マクロファージやT細胞などが浸潤し、TNFα、IL-1β、IL-6、MCP-1などの炎症メディエーターが放出されることによって炎症が慢性化し、インスリン抵抗性を惹起させている。さらに従来、脂肪細胞がない組織であるはずの骨格筋や肝臓に脂肪が蓄積するという異所性脂肪も大きく関与し、この蓄積した脂肪がインスリン抵抗性などの代謝機能の低下を招き、2型糖尿病を悪化させている。しかし一方で、肥満にならなくとも2型糖尿病を発症するケースも報告されている。そこで、肥満の有無による2型糖尿病の発症及び異所性脂肪蓄積について、炎症急性期に重要な役割を果たす好中球と、さらにマイクロパーティクルの作用から解明することを目的とした。 内臓及び皮下脂肪組織が生体に与える影響を調べるために、2型糖尿病マウス(db/dbマウス)から外科的処置により内臓及び皮下脂肪組織を除去した後、経時的に体重及び血中サイトカインの定量、血液生化学検査を行った。その結果、体重は皮下及び内臓脂肪組織除去後もコントロール(shamマウス)と同様に増加した。多くのサイトカインでは、皮下及び内臓脂肪組織除去グループ間で差はなかったが、一部のサイトカインにおいて皮下脂肪組織を除去したグループでは減少し、内臓脂肪組織を除去したグループでは増加した。血糖値は除去4週後までは皮下及び内臓脂肪組織除去グループ共に変動はなかったが、5週目以降に上昇した。 さらに、肥満を誘発させずに糖尿病を発症させるモデルマウスを確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験着手までに時間がかかったものの、肥満によらない2型糖尿病マウスモデルを確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験設備を整えるため動物実験の着手が遅れたが、成果が出ているため今後も研究計画調書通りに実施する。
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Causes of Carryover |
動物実験設備を整えるために時間がかかり、動物実験の着手に遅れが生じた。この動物購入費を次年度の動物購入費に充て、計画通り実験を行う。
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